「山で命を落とす人をひとりでも減らすために」
梅田スカイビルで開催されたザ・ノース・フェイス主催のトークショーへ。
富山県警察山岳警備隊副隊長の柳澤義光氏、国際山岳医の大城和恵氏のお話。このイベントをTwitterで教えてくれたカモ鳥さんに感謝。
富山県警察山岳警備隊・柳澤副隊長からは、北アルプス(富山・長野・岐阜)の現状についてのお話。統計に関しては平成25年中における山岳遭難の概況を参照。
(遭難発生件数は、1961年の統計開始以来右肩上がりで増加しているが、ついに2000件超えに。死者も前年度より29人増加で278名。)
参加者からの「遭難した人たちに何か共通するような要素はあるか」という質問に対して、
「まずは体力不足。そして無理すること。計画そのもの、天候判断等。さらに準備不足。事前準備、装備の不備」というコメントになるほど…。
★柳澤副隊長が語っておられるコチラも参考に。
山岳医療情報のサイトを主催されている大城医師からは、山で起きやすい低体温症についてのお話。
北海道の山で低体温による遭難事例は、17件のうち北海道の人は一人だけ。発生時期は7月がほとんど。6月、9月も少しはあるが、夏山が一番多い。
症状としては、意識が明瞭で震えがある段階では軽度だが、意識レベルが怪しい状態は要注意。
対処は4つ!
(1) カロリー摂取
飴などが即効性がある。お汁粉などは身体も暖まり、水分補給にもなってよい。糖質ならなんでも。意識がない人でも、歯茎にブドウ糖をこすりつけると吸収する。
(2) 寒冷状態からの隔離
防水、防風。着衣が濡れていれば着替えさせる。風に暴露しない。
ハイマツに潜り込むのも有効。
(3) 保温
ブルーシート、テントマット、断熱マット、寝袋などを使って保温する。
なければツエルト、エマージェンシーブランケットなどでも。
首、頭部の保温が重要で、首回りに衣類を詰めるなど。
保温梱包する場合には、きっちり巻き込むこと、足先、頭をしっかり固定すること。
★低体温症ラッピングの知識…ココ!(山岳JOY(女医)メール10 )
(4) 加温
プラティパスにお湯を入れて胸のあたりに置く。ソフトボトルは接地面積が高くなるので有効。熱湯だと火傷の危険があるが、温度が低いとすぐに体温より下がってしまい役に立たなくなるので、高めの温度で布にくるむなどして肌に直接触れないようにする。
胸部以外では鼠蹊部、腋下も。
ただし、手足は加温しない。冷えた末梢の血液が大切なコア温度を下げる結果になる。
★バイタルサインがなくなっていても、低体温症の場合は生存している可能性がある。脈が触れなくてもあきらめないこと。
ただし、現場で心肺蘇生を優先するより、迅速な搬送が先。
死亡判定の3要素を呈していながら、後遺障害なく蘇生して社会復帰した事例もある。
深部体温が13度代まで低下しても助かった事例も。
ノースフェイスの500円割引クーポンをいただいた。7月末日まで。どなたかお買い物予定の方がおられたら差し上げますが…(5000円以上の買い物で使えるもの)
参考サイト:
★Goldwin THE NORTH FACE MOUNTAIN SAFETY
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