『絶望の裁判所』
「法服の住人達は、市井の人の思いや希望などにはほとんど関心がない。しかし、彼らは、みずからの出世や評価にはきわめて敏感な、その意味では俗物的な人間なのであり、霞ヶ関官僚と同様に、日本的なピラミッド型ヒエラルキーによって操縦されている」…最高裁の中枢を知る元裁判官が、裁判官たちの精神の荒廃と堕落を描いた問題作。
極にゃみ的にはかなり読み辛くて、時間的制限もあって、あっちこっち飛ばし読みしてしまったのだけど…なんというかもう、“絶望的”な内容。行政から独立した崇高なる法の番人、ってイメージは「単なるイメージ」に過ぎないのか。
かなり衝撃的な内容で、裁判とかに当事者として関わる事態には絶対になりたくない…と思った。本書が多くの良識ある人の目に触れ、改善が行われますように。
『絶望の裁判所』
瀬木 比呂志 著
講談社 刊(講談社現代新書)
2014年2月20日 初版発行
著者のインタビューがわかりやすいです。
★「現代ビジネス」瀬木比呂志氏インタビュー(2014年01月28日)…ココ!
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コメント
お久しぶりです。
にゃみさんの記事を読んで興味を持ったので、買って読み始めましたが、すみません、半分弱で挫折しました・・・。
この筆者にかなり違和感は覚えますが、言いたいことは多少分かりました。さもありなんと思います。
でも、なかなか書けない本ですね。
司法が信頼できないなんて、悲しい世の中です・・・。
投稿: かめ | 2014年9月 7日 (日) 20:57
かめさーん!!
めっちゃお久しぶりです!!
登ってはりますかー!?
じつは私もこの本、途中でほぼ挫折。
私には読解が難しい文体でした。
でも、きっと、そんな感じなんでしょうね。
とても残念だけど…
投稿: にゃみ。 | 2014年9月 7日 (日) 22:45
>法服の住人達は、市井の人の思いや希望などにはほとんど関心がない…
裁判をしてみるとこのことが本当によくわかる。
弱きものたちを守る正義の味方…なあ~~んて絵に描いた餅のようなもの。
死法…いや、司法とは、結局、法律をよく知っていて、
抜け道をよくわきまえたツヨイ者たちの味方…体験で分かったことでした、ちゃん、ちゃん。
法曹界にも
たぶん「良心」という餌を食べつくす魔物が幾重にも絡まって蠢いている…その場に臨んでそう思った
事を思い出した
投稿: 同人 オバカッチョ | 2014年9月11日 (木) 14:26
哀しいことに、いろんな「世界」に、
いろんな魔物が棲んでますね。
公平公正の象徴のように認識されているこの世界にも。
「良心」って、食べられやすいものなのかも。
投稿: にゃみ。 | 2014年9月11日 (木) 20:19