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10月のミントサロン【六甲の特色と課題】

六甲山大学山麓キャンパス「ミントサロン」10月度は【六甲の特色と課題】。Dsc02397
ゲストスピーカーは兵庫県立大学名誉教授服部保先生。ひとはくにいらした頃には“追っかけまがい”?でご講演をよく聞かせていただいたのであるが…
神戸大学ご出身で、「六甲山は日本一の都市山」と称賛される先生のお話しは、六甲山愛にあふれ、真面目なのにユーモアたっぷりで楽しかった。

ちなみに、ミントサロンは今回22回目、極にゃみ的には皆勤賞継続中。&来月のミントサロンは申し訳ないことに、またまた登場しますです…スミマセン。
11月のミントサロン【秋・冬 六甲山の楽しみ方】 

六甲山は近畿地方のほぼ中央に位置し、山陽地方、中国山地、日本海沿岸、紀伊山地、南紀、海洋系などからの生物が交流。標高差により、暖温帯・冷温帯という2つの気候帯があって非常に高い生物多様性を持っている。
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日本一低い中央分水界が通る町「石生」付近で寒冷地と暖地の生物が行き来し、兵庫県では日本海側にしか分布しないブナなどが六甲山にはある。数万年に渡って6種の生物群が交流してきた山なので「六交山」でもある。
しかし、六甲山は人間の活動によって原生状態は破壊され、里山として利用されてきた過去を持つ。しかも、過度の利用によってはげ山と化し、明治時代の終わりごろから緑化が進められてきたが、現在は適正な管理が行われていない部分も少なくない。一見すると緑豊かな森ではあるが、土砂災害の要因となりかねない状態であるという指摘も。
 
 ※遷移の進行や温暖化によって照葉樹林化が進み、林床に光が入らない生物多様性の少ない森になりつつある。さらに樹木が成長しすぎて巨木化しており、根を張って土壌の安定につながる場合もあるが、場所によっては根こそぎ倒れて流木化すると重大な災害を招く危険性もある。

六甲山の環境をよい状態に守り、伝えていくためには、学校教育の中に六甲山での環境教育や自然体験を組み込んでいくことが有効ではないか、との提言もあった。
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「都市山」の概念は服部先生のオリジナルだが…
※都市山;大都市に隣接し、里山でもなく都市林でもない山。さまざまな環境機能、文化機能によって大都市に貢献している山地のこと(定義/服部保氏)
 例;六甲山 931m 隣接するのは神戸市ほか約200万人都市
   稲佐山 322m 長崎市  約44万人
   函館山 333m 函館市  約30万人
   藻岩山 531m 札幌市  約170万人

服部先生は確認のため?日本中の「都市山」に実際に足を運んだ上で、アクセス・景観・夜景・自然環境などを比較。あらゆる面でやはり六甲山が日本一の都市山であると確信されたそうである。
けど「○○山では霧が出て景色が見えなかった。六甲山の方がヨイ」… ってのもありましたけど… 「こんな話はココでしかできない」ってそりゃそうです。函館でやったらざぶとん飛んできます。
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最後に、神戸大学名誉教授で経済学がご専門、六甲山大学の名誉学長でもある新野幸次郎先生がサプライズ登場。昭和30年代の木材輸入自由化によって国内林業が壊滅したこと、「みんなのものは誰のものでもない」という認識が山の保全が行われていない原因ではないかと指摘。六甲山を大事に守っていくことが地域にとっていかに重要であるかを端的にお話しくださった。
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帰宅ってから新聞を見たら…神戸新聞朝刊「青空主義」にて、この秋刊行の 『六甲山シーズンガイド秋冬』をご紹介いただいてました。5月1日に「春夏」の紹介記事を書いてくださった津谷デスクの記事。ありがとうございました。

※10月19日(日)朝刊 
服部保先生インタビュー 『豪雨の土砂災害増加、六甲山の防災対策は?

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