『八月の六日間』
数年前に山登りを始めたmonacoちゃん&まゆたまちゃんお勧めの一冊。文芸雑誌の副編集長で、仕事も恋愛もいろいろタイヘンなヒロインが、獲得した休暇を費やし、北アルプスや裏磐梯、八ヶ岳などの山々を旅するお話。いつも単独で、山小屋泊で数日間の山旅。なかなか贅沢な日程で、行動食に何をどれだけ持って行くかとか、どこで何を食べたとか、山女子にウケそうなネタもちりばめつつ、“微妙なお年頃”の働く女性の共感をしっかり得られそうなストーリー展開。山に行ったような気分になれて楽しかった。働くアラフォーの山好き女性にはど真ん中な作品なのかも。
『八月の六日間』★公式サイト
北村薫 著
角川書店 刊
2014年5月 初版発行
「九月の五日間」「二月の三日間」「十月の五日間」「五月の三日間」「八月の六日間」という5つのお話から構成されていて、九月は燕岳から槍ヶ岳、二月はスノーシューで裏磐梯、十月は上高地から蝶・常念・大天井、燕岳、五月は残雪の北八ツ。最後の八月が折立から雲ノ平・高天原、三俣・双六。道に迷いそうになったり、ライトを忘れてピンチになったり、雪の中のたいへんさが描かれていたり、なかなかリアルに“いろんなリスクがあること”が作中で触れられているのだが、最後にこんな文章が…
この作品はフィクションであり、実在の人物、団体などとは一切関係がありません。文中に登場する登山ルート、施設、交通機関の時刻などは取材当時のものです。現在とは異なる可能性がありますので、ご了承ください。
作品中で描かれている登山時間や必要な道具類などはあくまで「主人公の場合」であり、季節や天候、コース状況、各人の体調や経験などによって大きく異なります。
(中略)
また、本書で登っているのは比較的難易度の高い山々です。本作の主人公も、3年間、実力に見合った山で鍛錬を積んだ後に挑戦しています。登山初心者・未経験の方は、気軽な気持ちで登りに行くことがないよう、くれぐれもご注意ください。
と、まぁ、ここまで書かねばならんご時勢なのだなと… ある意味感心した。
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コメント
山を登り始めた女子とか私の世代にはドンピシャッ!なお話なのです。持ち物とかもうなずける感じ。
ただ、体調管理はきちんとしましょうね~とは思いましたけど
歩いたことのあるところがほとんで風景を思い出しながら読めたのがワクワクでした。
まぁ、私はこの主人公の方ほど中身が女子ではありませぬが。。。(^-^;
投稿: monaco | 2014年11月19日 (水) 18:31
著者が男性なのが不思議なくらい女性心をとらえてますよね、ヲッサンの私たちにはムリなくらいに…
それはそうと、行ったことのある山が出てくるとテンション上がりますよね。
投稿: にゃみ。 | 2014年11月19日 (水) 19:55