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『村上海賊の娘』

飲み会だったか会議の席上だったかで、とある村上さん(かなり偉い人だぜ)がKaizoku_ue瀬戸内方面のご出身だと言うので、誰かが
「やっぱり村上海賊の末裔なんですかぁ」
というありきたりな質問をしたら、
「直系ではないけど、先祖を辿るとたぶん一族…」
とのことで、
「ほな村上海賊の娘ですやん」
というありがちな話になったのがきっかけで、なんとなく読んでみた一冊。上下巻でなかなかのボリュームであったが、テンポよくストーリーが展開するので、一気に読めた。

『村上海賊の娘』
和田竜 著   新潮社 刊
2013年10月 初版発行


 数百年に渡って瀬戸内海の覇を握り、日本最大の海賊王と言われた村上水軍最盛期に君臨した、能島・村上家の当主武吉には、当時の武将の多くがそうであるように多くの養女がいたが、たった一人だけ実の娘がいたという。
 時は、織田信長が一向宗門徒との対立を深め、本願寺第8世法主蓮如が籠る石山本願寺を包囲する「天王寺合戦」へ。経済封鎖された本願寺が毛利輝元に援助を要請、村上海賊を主力とする毛利水軍を繰り出し、「木津川口海戦」へ…という時代。
「海賊船の先頭に立つ女性の絵が描きたかった」という著者が設定したヒロインは…

 悍婦(気の荒いじゃじゃ馬)にして醜女(早い話がブス)、手足がすらりと長く、スリムな体躯ながら180センチもある大女。その容貌は、目が大きく、唇がぽってりと厚く、鼻筋が通って西洋人のような彫の深い顔立ち。
  …ってソレ、イマドキのスーパーモデルみたいな女やん!
(当時は、目が細くて下膨れの扁平顔、そしてぽっちゃり体型が美人の典型)

直情的で、純情で、一途だけど、ちょっとおつむが残念。
ちなみに通常の衣服は、小袖の裾を大胆に切り落とし、袖も取り払って、超セクシーな肢体を露出!
  …ってそれ、男が一方的に夢想する「理想の女像」とちゃうん!

そして、ストーリー展開がなんだか“劇画チック”というか、「アニメにしたらしっくりしそう」という感じ。読み終えてから、著者のプロフィールを見て納得。脚本家でいらした。なるほどー。

登場人物のなかで重要なキャラクターとなっているのが和泉の海賊たちなのだが、河内弁がすごくええ味を出してる。どうせなら村上海賊も島の方言で喋って欲しかったけど、広島弁ともまた違うんやろうか。

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