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『六甲の灯』

六甲山関係の書籍や古地図など、膨大なコレクションをお持ちのM氏にDsc06358お借りした一冊。ゴロゴロ岳の山頂近くにかつてあった「剣谷森林気象観測所」(農林省林野庁大阪営林局神戸営林署管轄/後に京大地震観測所に)で、昭和10年から38年間に渡ってたった一人で観測を続けた技官・池野良之助氏をモデルに描かれた小説。

『六甲の灯』
吉田たつこ 著
文芸社 刊
2002年6月 初版発行

山火事が頻発していた国有林を護るための監視もかねて、高さ18mもある4面ガラス張りの望楼の観測所で、はじめの頃は電気やガス、水道などのライフラインもなく、山火事を発見しても通報するための電話もなく、気象通報を聞くためのラジオすらないという、まるでキャンプ生活のような生活であったそう。
近くにある「いもり池」ので水を汲み、運び上げた米と缶詰などで食事を作り、月に1回本庁?へ下る以外は毎日気象観測と山火事の監視を続ける生活。
山火事を見つけて通報するだけでなく、山上の雨の様子から豪雨による被害を予想して山麓住民を救ったということもあったらしい。
また、「Bたらん」というビタミン欠乏症になって体調を崩し、野菜を食べるために畑を作ったら鳥や動物に食べられてしまったりという、山中ならではのエピソードも語られる。
正月に「三番叟」を唸りながら登ってきた仙人のような謎の人物が、じつは古武術の達人だったり、麓に降りたときに出会った清楚な娘とのロマンスが語られたり、物語としても楽しめる内容。
昭和13年の阪神大水害や、終戦10日前の空襲のことなども描かれて、当時の雰囲気を垣間見ることができるのも興味深い。Dsc06359
神戸新聞?

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