『近くて遠いこの身体』
7月に「甦れ!日本人の股関節 ~ あたりまえのカラダの使い方
」と題した、リベルタ学舎主催、古武術介護の岡田慎一郎先生の講習会に行ったときにお目にかかった、元ラグビー日本代表の平尾剛さんの著書。
現在は神戸親和女子大学で講師をされており、専門はスポーツ教育学と身体論。トップアスリートとしての経験、度重なる怪我や故障とそのリハビリの経験を踏まえ、「身体」についての考察をまとめた一冊。
ここのところ、「身体知」についていろいろと考えていて、そういう中でとても面白い内容だった。ここ数年、「脳」で処理する「情報」を重視するあまり、「身体」とか「感覚」を軽んじすぎてないかな、と感じていて、「身体」という自分のものでありながらつかみきれないものの奥深さってとても面白いと思う。
『近くて遠いこの身体』
平尾剛 著
ミシマ社 刊
2014年9月 初版発行
まえがき「はじめに」から
「身体」のことについてスポーツ科学はとてもわかりやすく私たちに説明をしてくれます。筋肉を増量するための運動の行い方、栄養や休養のとり方などを、数値やデータを用いてロジカルに説明してくれる。だから、「身体」のことはよくわかったとつい「錯覚」してしまう。
しかし、「身体」はそれほど単純ではありません。
(中略)
「身体能力」は僕たちの想像を遥かに超えるものです。僕たちの「身体」は思いのほかいろいろなことができます。
(中略)
「身体」は数値やデータに馴染みません。けっしてマネジメントするものではない。内側から生まれるさまざまな感覚が複雑に絡み合いながら形成されるひとつの現象です。外側から数値を押し付けるのではなく、内側から生まれる感覚に耳を傾ければ、これまでとは異なる世界が広がるはずです。
★みんなのミシマガジン連載コラム「近くて遠いこの身体」
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