「道迷い」シンポジウム
関西大学高槻キャンパスにて「道迷い」シンポジウムが開催された。
日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構 、日本山岳協会、日本勤労者山岳連盟の3者共催。「道迷い事故の現状と問題点」「道迷い経験者による報告」「関連要因から見た道迷い発生のメカニズム」「対策」の4部構成で、各部3名のスピーカーから発表があり、それぞれ質疑と短い討議が持たれた。座長は、2012年度安全登山の集いで「なぜ道に迷う?迷ったらどうする?」という講演をしてくださった静岡大学教育学部・防災総合センター教授で、読図やナビゲーションの専門、村越真氏、そして長年山岳遭難の研究を続けてこられ、『山岳遭難の構図』著者の青山千彰氏。
1部は受付を担当していたため聞くことが出来なかったのだが、最初のパートは村越氏。遭難事例を分析し、最も大きな要因である道迷い遭難の実態を解析。配布資料によると、年齢別にみると若年層で道迷い遭難の比率が高く、30代まででは50%を占めているが、50代以降では25%~30%。遭難事故を態様別にみるといろいろな特徴があるが、道迷いの場合は時間帯で大きな違いがあって、午後に顕著に発生数が増加している。
日本勤労者山岳連盟事務局長の川嶋高志氏からは、労山全体での遭難統計について。警察庁の統計では全体の約40%が道迷いだが、労山内の統計ではわずか2%と大きな差がある。ただし、その内容は沢や積雪期など、一般的な登山道ではないところで発生している。
日本山岳文化学会の野村仁氏からは、「山岳地における道迷い遭難の概観」と題して、各地の遭難事例を分析。大都市近郊の低山(たとえば六甲山)などで道迷い遭難が多発している。各地の状況をしっかりと分析し、道標設置などのコース整備と、信頼性の高いコース情報の提供といった対策を行えば、事故は減らせる。
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