情緒ある港町「鞆の浦」
“行き当たりばっ旅”@西国で訪れた広島県福山市の「鞆の浦」。
瀬戸内海の中央に位置し、古来“潮待ち・風待ちの港”として栄えてきたまち。
江戸時代から明治、大正と、古い時代の建物が残り、独特の情緒がある。
宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」の構想を練ったところとして、また重松清原作のTVドラマ『流星ワゴン』、ハリウッドが本格的ロケを日本で行ったヒュー・ジャックマン主演『ウルヴァリン:SAMURAI』、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』のロケ地としても注目されている。
コンパクトな街で、歩いて巡るのにちょうどいい感じ。
古い商家や、面白い発見があちこちに。歩いて楽しい街並み。
漁具を扱うお店。
神社や祠があちこちにあるが、どれも狛犬さんが面白いポーズ。
バス停が面白い。
ときどき“猫バス”も来るらしい。
交番も和風建築。
福山市全体がそうなのだけど、バラが目立つ。福山市は、1945(昭和20)年の8月8日に空襲を受けて市街地の約8割を焼失。戦後に街の復興のひとつとしてバラの植栽を行い、後に市の花に認定。「ふくやま」と名の付くばらも多く、約85万本のバラが市内各所に植えられているとか。このオレンジのバラは「鞆の浦」という品種。
仙酔島への渡船乗り場の2Fには、展望のいいカフェが。ステキなお土産物もあって、立ち寄る価値あり。
★カフェ&ギャラリー SHION 潮音 …ココ!(Facebook)
この街の人たちは花が好きみたいで、とてもきれい。
なんといっても目立つのが「保命酒」。大坂の漢方医・中村吉兵衛が考案した薬用酒で、万治2(1659)年から鞆奉行の許可を受けて製造、備後福山藩からも保護を受け、門外不出の名産品として作られてきた。元祖の中村家は明治の末に廃業したが、現在は岡本亀太郎本店、入江豊三郎本店、赤たる八田保命酒舗、保命酒屋 鞆酒造の4つの蔵が製造している。
「岡本亀太郎本店」は店構えに歴史が感じられる。
元々保命酒は中村吉兵衛の末裔である中村家だけが藩から公式に製造販売の許可を得ていたが、明治に入って廃業。古くから中村家と懇意にしていた岡本家が道具一式と共に伝統の技を受け継いだのだとか。そのときに引き継いだもののひとつがこの龍の意匠の看板だそう。
朝到着して、とりあえずコーヒーが飲みたい、と思ったときに、地元ガイド的な方がお勧めしてくれたカフェ「OUR HOUSE (アワーハウス)」。
大阪からIターンで妻の実家のあるこの街に来られたというマスターが淹れてくれるコーヒーはとても香りよくて美味しかった。「モーニングブレンドセット」は満足度の高いメニュー。
魚料理のお店とか、干物や練物を売っているお店も多い。
「けんちゃんのいりこ屋」さんには、地元の海で獲れた無添加いりこをはじめ、安心なものがアレコレ。
イカナゴのちりめん、走島産の新ノリ(新ノリが出回るのはレアらしい)はいりこ屋さんで、魚友商店の練物は露店で、自家栽培のこんにゃく芋で作ったというこんにゃくは地元スーパーで。地元産の食材が流通しているというのはホントにありがたいこと。
そう言えば、瀬戸内クルーズ旅のとき、この街の西側にある阿伏兎観音を船上から見たのだった。小雨模様で船室から出なかったけど…
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