『戦争は秘密から始まる 秘密保護法でこんな記事は読めなくなる』
秘密保護法施行によって、国民の知る権利はどうなるのか。正規の手続きに則って情報請求をしても黒塗りだらけの資料が出てくるなど、現状でもすでに秘密だらけ。その上「何が秘密かも秘密」なのだから、恣意的運用を危惧するのは当然のこと。
第一部では、秘密保護法とは何か、新聞社と記者は秘密保護法でどのような影響を受けるのか、記事の編集過程で、萎縮がどう起きるのか、などを現場を知る立場から解説。
第二部では、これまでの取材事例から「秘密保護法によって、こんな記事は読めなくなる」、第三部は秘密保護法施行後、市民生活にどんな影響があるかを検証。
『戦争は秘密から始まる 秘密保護法でこんな記事は読めなくなる』
日本新聞労働組合連合(新聞労連) 編
合同出版 刊
2015年2月 初版発行
【参考サイト】
★2015年4月28日@新宿ロフトプラスワン
『戦争は秘密から始まる〜秘密保護法でこんな記事は読めなくなる』出版記念
熱闘トークライブ 「ニッポンの情報隠ぺいと言論統制の裏側!秘密保護法へカウンターアタック!」
…ココ!
一部抜粋
『二度と国民をだまさせないために』
元北海道新聞、現高知新聞社会部 高田昌幸氏
P29
「知る権利」を完全に失ったアジア・太平洋戦争の時代、報道界は権力の軍門に下った。それどころか、最初から「権力の宣伝要員」だった。大本営発表の垂れ流しを繰り返した末路はどうだったか。約10万人が死亡した1945年3月、大手新聞社の本社が建ち並ぶ東京の大空襲すら、まともに報じることができなかった。
記者の仕事は「もう二度と国民をだまさない」ことにある。
そのためには記者自身がだまされてはいけない。
『気象情報を「特定秘密」にしないために 気象庁への取材から』
東京新聞社会部 宇佐見昭彦氏
P75
戦後の新聞が「戦争のために二度とペンを、カメラをとらない。戦争のために輪転機は回さない」と誓って再出発したように、気象庁で働く人たちには「お天気は平和のシンボル」との思いがある。
それは「だれでも気象情報を普通に手にすることができる平和な世の中を守らなければならない」「二度と、戦争のために気象情報が秘密にされるような世の中にしてはならない」という誓いである。
世論の反対を押し切って制定された秘密保護法が、今ただちに私たちから気象情報を根こそぎ奪うとは思わない。しかし、情報は私たち市民、主権者のものであって、一部の権力者のものではないという本義に立ち返れば、舵は確実に悪い方へ切られている。記者たちが不断の努力を続けなければ、「いつか来た道」となりかねない。
P33
情報公開法に則って防衛省に開示請求した海上自衛隊の航海日誌。ようやく入手した文書は表紙を除いてすべて黒く塗りこめられていた。
「秘密保護法」が施行されなくてもこういうことなので…。
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コメント
そこを問われている局面かと。
投稿: にゃみ。 | 2015年5月 8日 (金) 20:59
>反省を、…持っていたはずなのに…
反省は忘れてしまって、
ウソを百回言うて本当にしてしまう…
うむ…こんなことがまかり通る世の中になってしまった。
人間の本質に潜む神性と魔性か。
投稿: オバカッチョ | 2015年5月 8日 (金) 16:47
前の戦争には、メディアが翼賛に回ったことの反省を、報道人は持っていたはずなのに、今また同じことが繰り返されようとしています。
ジャーナリストの方々にがんばってもらわないといけないのと同時に、情報を受け取る側もぼんやりしていてはいけない、見抜く力を身につけなければ、、、と切実に思います。
本当に、海も山も大地も、異常…
天然自然に対抗するなんて無理なのだから、もっと謙虚にならないと。
投稿: にゃみ。 | 2015年5月 7日 (木) 16:01
>記者自身がだまされてはいけない…
これが一番大事なところ。
先の大戦の戦火に巻き込まれる要因の大きくは…
これでしょ。
今はネット社会で、状況が大きくかわって。
口当たりのよい言葉で囁けば…
裏あり人間も善人モドキに、即、なり済ます…
身近にウヨウヨ。
山も海も大地も吠えだしている。
鎮魂は
人間しか持ちえない…内在する良心と謙虚な心。
投稿: オバカッチョ | 2015年5月 7日 (木) 15:23