『もう「東大話法」にはだまされない 「立場主義」エリートの欺瞞を見抜く』
少し前に読み終えていたのだけれど…。 なかなか面白かった。「徹底的に不誠実で自己中心的でありながら、抜群のバランス感覚で人々の好印象を維持し、高速事務処理能力で不誠実さを隠蔽する」著者が“東大話法”と名づける無責任な「立場主義」エリートの欺瞞について述べた一冊。
そもそも、福島第一原発の事故の後、テレビに登場した“専門家”たちの話に違和感を感じたことが本書の執筆につながったという。
まるで、戦時中の大本営発表のような欺瞞話法。自分は傍観者であって責任はないという立ち位置の強調。彼らの話し方、ストーリー展開、結論の導き方には一定の法則があり、そしてそれは、東大界隈では珍しくもないことだった… と。
『もう「東大話法」にはだまされない
「立場主義」エリートの欺瞞を見抜く』
安冨歩 著
講談社 刊
2012年9月 初版発行
★現代ビジネス「この著者に聞け」2012年9月26日
「立場主義者」にはどう立ち向かうべきか
安冨歩(東京大学東洋文化研究所教授)…ココ!
その「東大話法」とは…
1 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する
2 自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する
3 都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事する
4 都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す
5 どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す
6 自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する
7 その場で自分が立派な人だと思われることを言う
8 自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する
9 「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく
10 スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる
11 相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す
12 自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する
13 自分の立場に沿って、都合のよい話を集める
14 羊頭狗肉
15 わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する
16 わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する
17 ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる
18 ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす
19 全体のバランスを常に考えて発言せよ
20 「もし●●●であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける
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コメント
>育てるのも、腐らせるのも、捨てるのも自分次第
ホントそうですね。
まぁ自分次第な部分と、その自分が育つ過程での影響ももちろんあると思いますけど…
他者への思いやりとか配慮とかって、想像力の問題でもあるので。
投稿: にゃみ。 | 2015年9月18日 (金) 10:29
仲間内で
そういった輩の話題で盛りあがったとき
サイコパス…って結論に達したことありますよ~~。
因みに
職場には高学歴エリートはうじゃうじゃいますが、
ちゃんと良心を持ち合わせた、人格者の方々のほうが圧倒的に多い。日本のインフラ技術に関わってきた方々ですよ。
まあ、人間の闇の部分のクローズアップはテーマとしてはインパクトは強いかな。
最近思うんですが…
良心って個々の生きざまの基準になる地軸のようなものだと思う。
生まれおちるときに種はもってきているのに
育てるのも、腐らせるのも、捨てるのも自分次第ってことかな。
投稿: オバカッチョ | 2015年9月18日 (金) 10:23
よく考えると、この特徴って、
「サイコパス」的ですねぇ。
痛むも痛まないも、良心なんてそもそも持ち合わせてないのかも…
投稿: にゃみ。 | 2015年9月17日 (木) 20:56
>徹底的に不誠実で自己中心的でありながら、抜群のバランス感覚で人々の好印象を維持し…不誠実さを隠蔽する…
そういう人、いるいる…
こういった輩と利害関係で有事になった場合…
その理論武装は、そりゃあ“見事”なものですわ。
良心が痛まないのかな…って思いますよ。
投稿: オバカッチョ | 2015年9月17日 (木) 11:59