『憲法主義――条文には書かれていない本質』
「日本武道館のステージで憲法を暗唱して聴衆を沸かせた高校生(当時)アイドルが、気鋭の憲法学者による講義をマンツーマンで受けた結果、日本一わかりやすい憲法の入門書ができました!」という一冊。
AKB48とかって、ホントに知らない世界なのだけど、本書を書いている内山さんという女の子は、とても頭がよくて可愛らしい。今は大学生?
“解釈改憲”だのなんだのときな臭い昨今だけど、憲法のことって今一つわかってなかった。この本は、九州大学法学部教授の南野先生が当時高校生だった内山さんによくわかるようにと特別講義をしたものを収録、項ごとに内山さんが「まとめ」を書く、というスタイルで、とても読みやすかった。
いま、この国のこの局面で、知っておいた方がいい内容がきっちり押さえられている。
『憲法主義――条文には書かれていない本質』
内山奈月(うちやま・なつき)AKB48
南野 森(みなみの・しげる)九州大学法学部教授
2014年7月 初版発行
PHP研究所 刊
★版元サイト 動画もあります!…ココ!
憲法を遵守しなければならなのは国家であって国民ではない。
★国民は憲法によって守られる存在であって、縛られる存在ではない。
憲法の役割は「国家権力を取り締まること」。
だから、その国家が憲法を勝手に“解釈”などしてはならない!のである。
★民主制にとって一番大事なのは「政治的な表現の自由」
★間接民主制にもいろいろ問題点はあるが、現時点でそれより“ましな”制度がない。
P230
(内山さんによる「まとめ」より)
憲法の価値とは、「誰が草案をかいたのか」とか「草案の素晴らしさ」がそれを決めているのではない。その憲法が「その国に根づいているか」、「安定しているか」、「運用されてきたか」ということが、その憲法の価値を定めているのだ。そういった観点から見て、日本国憲法は素晴らしい憲法であると私は思う。
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