『人は、ことばで磨かれる ~村上信夫のときめきトーク~』
元NHKアナウンサー、村上信夫さんによる月刊「清流」の連載を加筆修正してまとめた一冊。作家の阿川佐和子さん、銅版画家の山本容子さん、歌手のクミコさん、小林幸子さん、戦場カメラマンの渡部陽一さん、フォトジャーナリストの安田菜津紀さん、、ほか、多彩なゲストとの対談が収録されている。
基本的に、どの方もポジティブで元気、明るい。それは話を引き出す側のパワーなのか、そもそもそういう人をチョイスしているのか、それとも人選も含め“よきご縁”によって作られたものなのか。いずれにせよ、言葉には力があること、明るくふるまい、よい言葉を選んで使い、ご縁に感謝することの大切さ、がそこここで語られている。
『人は、ことばで磨かれる ~村上信夫のときめきトーク~』
村上信夫 著
清流出版 刊
2015年8月 初版発行
『人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-』の矢作直樹さんも登場されている。
その部分から少し抜粋してみる。
P136
矢作 言葉は「音」であると同時に「意識」なんです。つまり、言葉はエネルギーをもっています。これがいわゆる「言霊」。言葉には、正のエネルギーをもつ言葉と、負のエネルギーをもつ言葉があります。正のエネルギーをもつ言葉を使うと、ポジティブなエネルギーが周りに伝わります。意識がよい方向に変化しますね。
P142
村上 江戸時代の人々は、士農工商という厳しい身分制度がある中でも、みんなが分をわきまえて、おおらかに暮らしていたと思います。だからこそ、二六〇年余も平和な時代が続いていたのでしょうね。
矢作 本当にそうですよね。あの時代は貧しいながらも、人々は秩序をもって暮らしていました。しかし明治以降、とくに第二次世界大戦後は西洋からもたらされたものによって、日本ならではの精神文化も後退してしまった。このままじゃいけないと思うんですよ。
(略)
矢作 宇宙から人類を見れば、地球だけでなくすべてに節度というか、いたわりをもってほしいと思います。
村上 いまは人間が人間本来の役割や大切なことを忘れてしまっているのかもしれませんね。
矢作 でも私はあまり悲観していなくて、あとは人の心に灯がともるかどうかだけの話だと思うんです。神道的に言えば私たちは「分霊(わけみたま)」をいただいており、キリスト教的な言葉で言えば「あなたも神であり、私も神である」と。それを実感として感じるようになれたら、変われるという気はしています。
あとがきから
(略)とっておきの「磨きことば」を自分だけのものにしないで、お福分けしてほしい。「嬉しくないことば」は封印して二度と使わないようにしたほうがいいが、「嬉しいことば」は、引き出しの奥にしまいこまず、どんどん広めてほしい。そうすることで、ことばは喜び、人間磨きにますます拍車がかかる。もう少し平たいことばで言えば、この本を知り合いに広めてほしいということだ。(←平たすぎる…笑)
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