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『モグラ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方』

ほったらかしの畑を、誰かが耕すんですよ。時々。
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うちは基本は“不耕起”でやってるので、耕さなくていいんです。なのに。
穴をあけたりもするし、土が盛り上がってたりもするし。どうも、犯人はグラサン・ドカヘルでつるはし持ってるイメージのアイツじゃないかと。
で、この本を読んでみた。

『モグラ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方』
井上雅央・秋山雅世 著
農山漁村文化協会(農文協) 刊
2010年6月 初版発行

Moguraモグラって見たことないし、生態も全く知らなかった。
「サツマイモや大根をモグラにかじられた」というような話をよく聞くが、モグラは100%肉食で、野菜や植物の根をかじったりはしないそう。トンネルを掘るので、そのせいで根が傷むことはあっても、作物を食べたりかじったりはしない。ただし、モグラの穴を利用してうろうろしてるネズミが作物を食べることはあるらしい。
野菜の苗などを植えるとモグラが荒らしてしまうことがあるのは、苗用のポットには有機質の土が使われているため、土中のミミズが集まって来て、そのミミズを食べるためにモグラが穴を掘り、根が傷むから。
モグラ被害に困っている人は多いようで、撃退グッズなどもいろいろ発売されているが、そのほとんどは効果がないそう。家庭菜園などでよく設置しているペットボトルの風車も、効果はない。
また、畦に彼岸花を植えるといいというのも単なる迷信だそうだ(隙間なくびっしり植えたら別かもしれないが)。
本書では、モグラを捕獲して飼育観察したようすも紹介されている。モグラが非常に規則正しい生活パターンであること、かなりのグルメで、気に入ったものしか食べないこと、しかも大食漢で、一日に体重の約半分もの量を食べることなど。一番の好物はミミズや昆虫の幼虫で、ミミズはちゅるちゅると麺類を食べるようにすすり込み、丸まっている幼虫は手で伸ばして、平らにしてから大事そうに食べる。ヤスデは、えびせんでもかじるように端からぱりぱりと音を立てて食べる。代用食としてミンチ肉を与えてみても、鶏は見向きもせず、和牛の赤身がお好みだったとか。なんか可愛い感じのお食事風景、見てみたい。

日本に生息するモグラは主に東日本にいるアズマモグラと西日本にいるコウベモグラの2種類で、それ以外に佐渡島にサドモグラ、新潟の一部にエチゴモグラ、標高の高い日本アルプスや鈴鹿の一部、紀伊半島の山岳などにはミズラモグラという種もいるらしい。

完全防除はなかなかやっかいだが、小規模な家庭菜園や花壇なら、見つけた穴にマツやスギの青葉を詰め込んでおくと効果があるらしい。捕獲する方法も紹介されているが、そこまでする気はないので… とりあえず共存でいいかな、うちは。

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