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『関西電力反原発町長暗殺指令』

センセーショナルなタイトルとビビッドすぎる表紙。どう見ても安っぽいKanden_takahama小説にしか見えないのだが、あいにくとドキュメンタリーである。
折しも、新潟県の泉田知事の“撤退宣言”が世間を騒がせていて、「『原発ホワイトアウト』を彷彿とさせる」などと取り沙汰されているが…
霞が関の現役官僚が書いた“再稼働を阻止しようとする原発立地県の知事を始末する話”、は一応フィクションだが、ルポライターが書いた“反原発町長を始末する話”は実際に起きたこと、のようです。とても似てるけど。

『関西電力反原発町長暗殺指令』
齊藤真 著
宝島社 刊
2011年12月 初版発行

本書は、
「関西電力の高浜原子力発電所を舞台にした、ある異常な出来事を追ったもの」(まえがきより)。
『週刊現代』に2回に渡って記事を掲載(2008年3月29日号、4月5日号)、大騒動になるかと思いきや、関電側は完全に黙殺。その数か月後、本書に実名で登場する2名の告発者は、恐喝の容疑で逮捕・起訴される。
何から何まで“異常”なことずくめの内容に驚かされるが、田中優さんは「町長暗殺指令の話。関西電力が舞台だが、他の電力会社にもあったと思う。」と書いておられる。ほかのメディアが完全に黙殺したのは、何か大きな力が働いていたのだろうか。

表紙内側から抜粋

凶器は犬や・・・・・・。
犬はワシら主人のことは、何でも聞くからな。
“絶対に誰がやったか判らない方法”というのは、犬のことや。
そう、原発の警備につこうとる。殺傷能力ではピカイチの犬や。
殺ってしもうた犬を捕獲しても、犬は誰の命令か言えへんもんな。
『犬が突然凶暴になってやってしもうた』と言えば、何の証拠もあらへん―。


本書のラストに、大阪地裁で開かれた第1回公判(2009年8月20日)でのやりとりが収録されている。本書で「暗殺指令」を出した本人とされる“K”が、週刊誌の記事が出た2週間後に警察に被害届を出した。2年前に、高浜原発内で犬を使った警備を請け負った二人が、購入した犬の代金を請求したことを「恐喝」として訴えたもので、公判に“K”が検察側の証人として出廷。

P236
加藤側の弁護人による質問(以下弁護人)
 ところであなたは先ほどの主尋問で出た高浜町長を襲うというような話を冗談で1回話したことがあるという話をしていましたね。

K  はい。

弁護人  よく判らないんだけれども、のりを狙って町長を襲えるかというのはどういう意味ですか?(主尋問でKはこう釈明している)

K  のりを狙ってじゃなくて。

弁護人  あなたがそうおっしゃたんで聞いているんですけど。

K  私が言うたのは、周りの人間で、それまで、いわゆるそのときの町長、それが原子力の反対とか、いろんな形のことで、それから町内の業者の自分の反対の会社の仕事を減らせとか、いろんな形を言うてきておったので、彼ら自身も非常にその人に対して余りいい気持ちを持っておらなかったと、これは町長が替わるほうがいいでという気持ちを持っておったんで、そういう気持ちで先に会議をしてましたんで、それで一言、私がちょっと失言してしまった訳です。のりというのは、そのとき受けるかなというのを思ったわけです。

弁護人  受けを狙っていうような話だと思いますか。

K  冗談ですよ。

弁護人 冗談で言えるような話だと思いますかと聞いているんです。

K  それは私の失言だと思います。非常に反省しております。


K氏は、「冗談」「失言」と述べているが、言ったことは事実であるらしい。
そして、ほかにもいろいろ、トンデモなことが書かれている。

第2章「核心 町長暗殺指令」より
P121
エチゼンクラゲの錬金術
 影の仕切人“エムさん”たちに、利益はどう還流しているのか。加藤が話してくれた「エチゼンクラゲ」のエピソードには、唖然としてしまった。
「あのあたり(高浜町)は、その名の通り、夏近くになるとエチゼンクラゲ(福井県は昔、越前の国。正確には、高浜町あたりは若狭の国だが)が大量に発生しますんや。これが原発運転にはとても問題でしてな・・・・・・。
 要するに、原発を稼働させるために、大量の(冷却)水が必要なんですわ。だから、原発はだいたい海のそばにあるんですな。海水を利用するわけです。その取水口に、問題のエチゼンクラゲが大量に入り込んで詰まらせてしまう。そうなったらお手上げですわ。
 その時、一計を案じるんです。クラゲの除去に地元の下請業者を使うということで、新たに補助金を申請するわけですな。なにしろクラゲが取水口に詰まったままでは、原発稼働が立ち行かなくなってしまうわけです。緊急事態ですわ。その申請はすぐに通る。大きなカネがクラゲ除去のために下りてくる。その仕事を地元下請業者に発注し、クラゲ退治をさせるんです。日頃利用しているキーマンにも、そのくらいの余禄を落としてやる。
 ところが、そのクラゲに関しては、もう1回オチがありましてな、それはこういうことなんです。
 取水口に詰まったクラゲをどうするか? 分かります、齋藤さん? まあ、その場でみんな潰して(殺して)しまう、そう思うでしょう? ところが、そうやないんですな。ええですか、取り出して捕まえた大量のクラゲを、そんなに遠くない海の中に戻してしまうんですわ。そーっとね。あんまり遠いところに戻すとあかんのですわ(ダメなんです)。どういうことか分かります?(略) クラゲに目印なんてついてませんからな。前に(取水口を)詰まらせたクラゲなんて誰も証明できません。そのくり返しや。漫画みたいな話でっしゃろ。
 原発にたかる連中は、こうやって結構な余禄に与っている。その下でおこぼれ頂戴している業者も多い。“エムさん”はそういった利権の中心にもいる、だから地元の仕切役でいられる、ちゅうわけですわ」


…きっとそんなことばっかり、なんだろうと思う。だから電源立地は依存から抜け出せない。福島の惨禍を目の当たりにしてさえも。

★驚愕スクープ! 関電高浜「町長暗殺指令」
  日本でこんな恐ろしい犯罪が起きていた!(週刊現代 2008年3月28日号から転載)
  …ココ!

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