『魔法びんでゆでるだけ おいしい豆のおかず』
暑い季節は、長時間加熱する調理は避けたいもの。豆を煮るのは暖房代わりに冬、と思っていたのだけど、ステンレス保温ボトルで省エネ&簡単に茹でよう、という本を見つけた。
魔法瓶で豆が茹でられることは以前から知ってたけど、昔の魔法瓶でやると、あと洗うのがめんどくさかったり、一気に大量に茹でないといけないイメージがあって敬遠していたのだけど、本書では、現在一般的に販売されている小さいサイズの保温ボトル(380ml・480ml)で少量(30g~60g)の調理を提案している。加熱し続けるわけではないから、少量でも燃料の無駄がないわけで、同じ料理が大量にできてしまって飽きることもないと。合理的である。
『魔法びんでゆでるだけ おいしい豆のおかず』
牛尾理恵 著
主婦の友社 刊
2013年7月 初版発行
要点をまとめると、
茹で方はどの種類の豆もすべて同じ。乾燥豆をざるか茶こしに入れて熱湯で洗い、すぐにボトルに入れて熱湯を注ぐ。
※使用できる保温ボトルは、「1時間後86℃以上/2時間後80℃以上」のもの
保温性能が悪いと加熱が足りない状態になるので、その場合は熱湯を入れ替えてもうしばらく保温するか、鍋での加熱時間を長めに。
■大豆・黒豆系(30g→60~70g)
480ml/60g/3h 380ml/40g/3h
■きんとき豆系(30g→60~70g)
480ml/60g/3h 380ml/40g/3h
■皮付レンズ豆(30g→60~70g) ※1時間以上置くと崩れる
480ml/60g/50m 380ml/40g/50m
■ひよこ豆(30g→60~65g)
480ml/60g/3h 380ml/40g/3h
■えんどう豆系(30g→60~65g)
480ml/60g/3h 380ml/40g/3h
■あずき・ささげ系(30g→60~70g)
480ml/60g/2.5h 380ml/40g/3h
※豆の種類の後ろの()内の数字は、乾燥豆から茹でた状態の重量変化
※ボトルの容量/乾燥豆の最大量/放置時間(h:時間 m:分)
一般的に、あずきなどは一度茹でこぼすが、本書では「実際に作ってみて味に大きな違いは感じられない」とのこと。
本書では触れられていないが、非加熱のインゲン豆(金時豆、白花豆など)には「レクチン」という糖結合タンパク質が含まれており、加熱が不完全だと嘔吐、下痢等の消化器症状を起こす。
通常の調理法(水浸し、沸騰状態で柔らかくなるまで茹でる)であれば毒性は消えて問題がない(沸騰状態5~10分で壊れる)。
★参考
「白インゲン豆の摂取による健康被害事例について」 (厚生労働省食品安全部監視安全課)…ココ!
「豆の基本的調理法に関する諸説を検証(その2)」(斎藤章氏)
インゲン系の毒性が心配であれば、保温容器に熱湯と共に豆を入れたあと3時間きっちり保温すること。それでも心配なら、水浸した豆を鍋で加熱し、沸騰した段階で保温ボトルに入れるといいかもしれない。
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