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「百万人の山と自然 安全のための知識と技術 公開講座」@神戸

昨年に引き続き、百万人の山と自然神戸会場へ。
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プロガイドの上野真一郎氏、・国立登山研修所専門調査委員の飯田肇氏による有益なお話を伺った。極にゃみ的にばくばくっと要約。

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一人目のスピーカーは、プロガイドの上野真一郎氏。登山歴44年、ガイド歴21年の超ベテランで、学生時代には年間150日くらい山に登っていたとか。
「生涯登山を楽しむためには」と題し、高齢でも登山を楽しんでおられるクライアントの事例を紹介。今年、85歳と80歳になる姉妹は、20年前、65歳・60歳のときに上野ガイドの「初心者教室」の門をたたき、以来国内の一般的な登山のみならず、沢登り、雪山登山、バックカントリースキー、カヌー、キャンプツアー、海外登山なども積極的に楽しんでおられるそう。
この20年を振り返ってみると、年齢・体力に合わせた楽しみ方をしてきた。60代の頃は北アルプスへ、60代後半からは日帰りで行けるコースでも泊りのプランでのんびりと。現在は、近場で、比較的平坦で歩きやすいコースをチョイス。でも、海外などにも行っておられる。

彼女たちは、「年だから」「お金がない」「忙しい」「体力がないから」などということを言わないそうだ。
上野氏によると、高齢でも登山を楽しむ秘訣は、
 ・ピークにこだわらない
 ・いろんなものに興味を持つ
 ・固執しない
 ・のんびり、急がない
 ・他人と競わない
 ・間を空けずにコンスタントに登る
 ・仲間をつくる
同じ山でも、季節が変わると毎回違う。そういう楽しみ方を知ること。

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二人目のスピーカーは、富山県立立山カルデラ砂防博物館学芸課長・国立登山研修所専門調査委員の飯田肇氏。
やはり学生時代から登山をしており、上野氏には及ばないが、年間120日くらい入山していた。そんな中で、滝谷で仲間が滑落し、行方不明になった。何度も捜索に入り、7月にようやく発見したが、残雪期の滝谷に何度となく通ううちに、雪がどういうふうに消えていくのかということが気になった。それがきっかけで、氷雪関する研究をするようになったとか。

今年の夏は異常で、立山周辺でこんなに雪のない状態はこれまで見たことがないそう。
7月10日に撮影された雄山からの写真では、真砂や別山の西面は全く雪がなかった。私もこんな景色は見たことがない。
冬の積雪が例年になく少なかったようで、剣沢も雪渓がやせてあちこち崩壊しており、長次郎谷、平蔵谷もほぼ雪がない状態。穂高の涸沢、ほかの三大雪渓(白馬・針の木)も同様であったらしい。

三の窓雪渓、小窓雪渓、内蔵助カールでは、雪渓が消失して氷河の氷体が露出し、日本では通常見られない氷河の景観が見られた。
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硬い氷の上に、流水によって河が刻まれ、垂直にマンホールのような穴が開く「ムーラン」も出現。推定1700年前の氷に触れることができた。
このような状況は世界的なもので、ヒマラヤでも峠道の氷が溶けて、逆に通行困難になり、物資の運搬などに支障が出ているところもあるそう。

本題は、気象遭難について。
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低温、強風、降雨が気象遭難の要因。
体感温度は「素肌での経験値」なので、着衣によって体温低下はある程度防げる。
風は、標高が高くなるほど強く、冬季はとくに強風が吹く。平均風速は10分間の平均で、瞬間風速はその1.5~2倍になる。風速20mを超えると行動は困難。
時間雨量は、近年100mm超えのとんでもない雨が降ることがあるが、山では30mmが目安で、それを超えると危険と認識するべき。
近年多くの気象遭難とされる山岳遭難事例が起きているが、「ターニングポイント」の見極めが重要。稜線に出ると、平野部の2~3倍の風が吹くことがある。稜線に出る前、出た時の引き返しの判断が重要。

・気温は、0℃くらいが最も危険。注意が必要。
 ※マイナスだと凍っているので、濡れないので逆にリスクが少ない
・平均風速10m以上で行動注意、15mで行動退避、20mは行動不可。
・時間雨量20mmで行動注意、30mmで行動退避、50mmは行動不可。

あと、
・「アラレ」は積乱雲の中でできるので、夏にアラレが降ると注意が必要。
・携帯圏内であれば、「雨量レーダー」の活用は有効。

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