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『不味い!』

「味覚人飛行物体」こと、発酵学、食品文化論、醸造学の専門家Mazuiである小泉武夫氏が、世界のあらゆるところで出会った「不味い食べ物」についてつづったエッセイ。
ヨノナカに、美味について述べた本は数えきれないほどあるが、不味いモノについての本はあまり例がない。
観光地のお膳、朝食バイキングの蒸した鮭、病院の食事、ブロイラー、駅弁、宿のティーバッグ、大阪のホテルの水(!)、シュール・ストレミング、ホンオ・フェ、蛇、虫、カラス… やっぱりね、というありがちな不味いモノから、「味覚人飛行物体」ならではの恐るべき食遍歴まで、ありとあらゆる不味いモノについて、なぜそれは不味いのか、が考察されていて面白い。
また、味覚というのは文化なので、同じものを同じように食べても「美味しい」と感じる人もいれば「不味い」と感じる人もある。食というのは本当に奥が深い。

『不味い!』
小泉武夫 著
新潮社 刊
2006年1月 初版発行

美味しいモノ、不味いモノ、多くの味について述べられているが、水についての記述を少し抜粋してみる。
P178
 本当にこの国の水は美味しかった。山紫水明の国とはよく言ったもので、この国の水がなぜうまかったかというと、先ずその地形にある。北海道も本州も四国も九州も、中央には必ず山脈が通っていて、そこには年間2000ミリ以上もの雨や雪が降る。つまり天然水の宝庫なのだ。次にこの国をつくる土や木である。ブナ林やクヌギ林、スギ林、ヒノキ林、竹林などによって育まれた土壌。そこに豊富な雨水が浸透し肥えた土壌に吸い込まれていき、それが地下岩盤の間を50年も60年もかけてミネラルをたっぷりといただきながら通り抜けてきて、地上に湧き出すのである。だから、山の中に入って、細い林道や獣道あたりから湧き出す清水を手で掬って飲んでごらんあそばせ。それはも、冷たくそして甘く、無垢の妙味がするのであります。

★小泉武夫氏関連のこれまで読んだ本
発酵する夜
カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法
賢者の非常食

Dsc01400山科けいすけ氏のイラストが面白い。

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