『路地裏のほたる食堂』
『真夜中のパン屋さん』の著者による新しいシリーズ(化されるよね?)。路地裏にひっそりと、だが神出鬼没で、かつ気まぐれなメニュー構成の料理を出す、不思議な屋台を舞台に、奇妙な登場人物たちが織り成すストーリー。
表紙もアニメちっくだが、ストーリー展開もアニメ化することを意識したような雰囲気。
“過去を持たない”という思わせぶりな設定の店主が作る気まぐれメニューは、お好み焼き、カレーライス、餃子、トン汁と焼きおにぎり、焼きそば…
そこに、猫缶、炊飯器を持ち歩くイケメン高校生…と不思議なアイテム(?)が絡み、個性的なキャラクター揃いの登場人物がドタバタとストーリーをつむいでいく。
『路地裏のほたる食堂』
大沼紀子 著
講談社タイガ 刊
2016年11月 初版発行
主人公は、東京の大学に進学した地方出身の学生。教育実習のため、出身校のある郷里に戻ってくるという設定。
その郷里・岐阜県は、大まかに言うと「名古屋周辺及び名古屋の支配地」「そのベッドタウン」「そこからあぶれた片田舎」「ほぼ山、山山山が続く山岳地帯」の4つに分類できるそう。そして舞台となるのは、“片田舎”である。
恵那やら多治見やら、愛知県に隣接してるあたりが一つ目で、中津川やら美濃あたりが二つ目で、飛騨市と白川村あたりが四つ目だろうから、それ以外が三つ目なんだろうとは思う。
美濃と飛騨では国も違うし言葉も微妙に違うだろうが、主人公たちの言葉は、まさに高山在住の人から聞いている感じそのもの。活字で読んでも、発音までわかる気がする。
なんで唐突に“真夜中の焼きそば屋さん”なんだろうと思ったけど、なんとなく納得。
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