『終わらざる夏』
“玉音放送”によって終戦が告げられた後、北の孤島・占守島で起きた「知られざる戦い」を描いた作品。太平洋戦争末期の異常な国家総動員によって運命が変えられてしまった人々の姿を描く、壮大な群像劇。
戦争というものがひとりひとりの生身の人間にもたらす苦難、悲劇、不条理。作家はインタビューにこう答えている。
「すべての国民が、戦争を遂行するためのシステムに組み込まれてしまった。その意味でこの小説は自由を奪われたさまざまな人々の群像劇でもあるんですよ」
この国では、永久に放棄しているはずの「戦争」が、なんだか妙なリアリティを持って、きな臭いかおりを放ち始めている今。一読してみてほしい一冊。
『終わらざる夏』
浅田次郎 著
集英社 刊
2010年7月 初版発行
2013年7月 文庫版発行
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