ひとり暮らしのOLの部屋のチャイムが鳴った。
押し売り勧誘泥棒レイプ犯…?の可能性を考えてビビりながら外を伺うと…
訪ねてきたのは、おばちゃんだった。
「えっ、おばちゃん」
「なんや、あんた、ひどい顔して」
つっかけサンダルに金と紫のスパンコールで虎模様を描いた化繊のセーター、といういでたちで現れたおばちゃんは、
「玄関せまっ」
と言いながらどしどしと上がり込んできた。
…という第一話から始まる短編集。これがなかなか面白かったのである。
『おばちゃんたちのいるところ』
松田青子 著
中央公論社 刊
2016年12月 初版発行
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