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「百万人の山と自然 安全のための知識と技術 公開講座」2017夏

日本山岳ガイド協会主催「百万人の山と自然 安全のための知識と技術」。
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2016年秋に引き続きの参加。会場は天神橋南詰東側のエル・おおさか。
は、安全登山の集い2015でお招きしたプロガイドの角谷道弘氏と、長野県警山岳遭難救助隊隊長、櫛引知弘氏のお話。

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角谷氏は「世界の山から見た安全登山とは」と題し、世界各地の山の写真を交え、体験談を。以下、極にゃみ的に響いたところを少し紹介。
・ガイド歴は20年を超えて、山には慣れてお客とのコミュニケーションもできるようになってきたが、山には難しいことがまだまだたくさんある。
・エベレストは、今や1シーズンに500人が登る山になっている。
シェルパたちがレベルアップしていて、ルート工作専門の人もいる。どの隊のシェルパもみんな仲間なので、酸素ボンベが足りないというような事態になれば融通しあうこともある。登山を愛好するごく普通の人が目指せる山になってきている。
・2009年7月のトムラウシの大量遭難事故、北海道とは言え7月で氷点下の気温というわけではない。それでも、強風下におかれると低体温症になって、逃げ遅れた人が亡くなった。生死をわけたのは体力で、動き続けることができた人が助かった。
震えが始まった段階でなんらかの対処が必要で、カロリーのある温かいものを摂取したり、風の当たらないところに収容するなどしなければならない。
・北アでは一般登山道でもヘルメットの着用が多くなってきた。事故の発生頻度は変わらなくても、死亡例が減っているのはヘルメット効果。
・これから熱中症に注意が必要な季節になるが、1週間程度、汗をかく運動を続けることで暑熱順化ができる。
・御嶽山の噴火のときに現場にいたガイドと話をする機会があったが、「正常性バイアス」が大きな問題。
「まだ大丈夫」「自分は大丈夫」と思ってしまう。噴煙が上がったとき、写真を撮っている人が多くいたが、その1秒で逃げ遅れた人も多かったのではないか。誰でも「正常性バイアス」にとらわれるものだと知っておく必要がある。

★後悔しないためには、準備できることはすべてやってから登りに行きましょう。(体力強化も含めて)

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櫛引隊長は「山岳遭難の現場から」と題し、長野県での山岳救助の実態などを。

・救助隊員を拝命して18年目。うちヘリ救助専門で8年やってきた。
・長野県警3800人中、山岳救助隊員は35名。機動隊7名、航空救助隊6名の13名が専従のエキスパートで、各署にいる隊員はお巡りさん兼任。
・事故者の6割が50歳以上、そのうちの7割が男性。
・登山者と話していると、やはり男性の方が挑戦的で、リスクを背負ってでも計画通りに行こうとする傾向があるように感じる。
・昨年、ザイテングラートで事故が多発。2か月間で6件の事故が起きた。
・ルートを間違えて、コースから外れて滑落するパターンが多い。
ルートファインディングができる人なら、おかしいと思って引き返すことができるが、そうでない人は行き詰って滑落する。
・パッキングやザックの背負い方が悪いとバランスを崩して事故につながる。
 街中の若い人の間では、ショルダーストラップをゆるめて背負うスタイルが流行っているが、山ではNG。
・力量に見合ったルートを選んでほしい。装備はしっかりしているのに、使いこなす技量のない人が事故を起こすケースが多い。
4年前から「信州 山のグレーディング(PDF)」を発表しているので参考にしてほしい。
・疲労や病気発症による事故も多い。夜行で来て仮眠ののち登る人も多いが、若い人ならともかく、徹夜で仕事をした翌日にフルマラソンをするみたいなもの。
・「はぐれ遭難」がよく起きている。パーティがばらばらになって、単独になった人が事故を起こす。単独はリスクが高い。
・奥穂高岳を例にとると、標高差1700m、往復35㎞を歩かないといけない。六甲山は片道10㎞、標高差850mなので、その差を考えてトレーニングを。

※極にゃみ的コメント:
六甲全山縦走コースは累計標高差3000m超え。距離45㎞なので、全山縦走ができればまず体力的には余裕ではないかと…。

・あると助かる装備として、ライト。ヘリから捜索するときにも、ライトを点灯すると発見しやすい。発煙筒はあまり役に立たない。
・転滑落の危険がある場所ではヘルメットが有効。頭部損傷での死亡例が多い。

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