『もう道に迷わない ―道迷いを防ぐ登山技術』
ずいぶん前に読んだ本だけれど…。一日カンヅメdayだったので。1月の読図講座の前に、何か新しいネタはないかな、と読んでみた本のことでも。
山関係の分野の編集事務所を主宰され、日本山岳文化学会にも関わっておられる方が著者。
ヤマケイ新書
『もう道に迷わない ―道迷いを防ぐ登山技術』
野村 仁 著
2015年2月 初版発行
山と渓谷社 刊
例によって極にゃみ的に気になった部分を抜粋。
「道迷い」シンポジウムのときにも発表をされていた内容。
本書は、いろいろな道迷い遭難の事例を挙げて、それぞれ何が原因で遭難に至ったのか、また道迷いをしないためにはどうすればいいのか、ということがわかりやすくまとめられた一冊。お勧めです。まず、第1章「道迷い遭難の事例に学ぶ」から。
冒頭で紹介されているのは、2012年7月に鈴鹿山系御池岳で起きた事例。
単独日帰りで入山した方が道迷い遭難、6日後に救助隊によって発見救助された。
地図とコンパスを持っていたにも関わらず、踏み跡やマーキングだけを頼りに歩こうとしていたこと、現地で偶然出会ったベテランっぽい人について行ったが、その人の判断は結果的にはあまりよくなくて、下山できなかったばかりか、滑落してケガをしたり、危険な場所でのビバークにつながったりしたこと。
その結果、疲労して幻覚や幻聴に囚われ、何もできないままじっと救助を待つ日々を過ごす。
SNS(ヤマレコ)の仲間が連休明けに異変に気付き、入山の翌々日に捜索を開始。その翌日には三重県山岳連盟に協力要請を行って、捜索隊が組織された。ヤマレコを通じて本人の行動はある程度推測されており、三重岳連の捜索隊以外にも、多くのヤマレコ仲間の協力が発見につながったようだ。
参考:
★~山岳遭難顛末記~ 御池岳ゴロ谷での6日間(ヤマレコ)…ココ!
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