『その街のこども』
城に追われる日々はまだ続いているのだが、ちょっと敵前逃亡。
十三のシアターセブンで上映されている『その街のこども 劇場版』を観に。
震災から15年の2010年1月17日に、NHKでオンエアされたドラマの劇場版。
子どものときに震災を経験し、その後東京で暮らしている若者が、1月16日に神戸を訪れ、偶然出会うという物語。オンエアは見てないので、この機会に見ておこうと。シアターセブンでは毎年この時期に上映をしてくださっている。この日は、プロデューサーの京田光広さんと、“ゆっちのおっちゃん”役で出演された白井利周さんのトークがあった。
“ゆっち”は、ヒロインの親友で、住んでいた家がつぶれて母ときょうだいと共に死亡。前夜、たまたま酔って帰宅し、玄関で寝ていた父だけが生き残った。妻と子どもたちを一度に喪ったという役を演じた白井さんは、実際に大学生の息子さんを亡くされている。
白井さんは、息子さんが亡くなったことを、「子どもをとられた」と語られた。「亡くなった」「喪った」ではなくて「とられた」。うまく言葉にできないけれど、そうなんや、と感じた。
そして、マスコミに対して、震災のことに関して「風化」という言葉を使ってほしくないとも。遺族にとっては、何年経とうが「風化」なんかしないのだと。この言葉は、重い。
脚本家の渡辺あやさん
★神戸新聞「インタビュー 1・17から」
(1)脚本家・渡辺あや 不条理を生きる心の根に…ココ!
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