夏山縦走2 五色ヶ原~薬師岳
お宿の方は「薬師岳山荘まで行くなら、長距離なので、4時に出る方が多いですよ」って仰ってたけど、暗い中を歩きだしてもスピードが出ないので…。
5時からの朝食を食べてるとさすがに出遅れるので、お弁当にしてもらった。自炊室で食べて、薄明るくなった4:45に出発。
どんよりした中、うっすら見えてるのは針ノ木・スバリあたりか。
5:30頃、鳶山の肩から日が差してきた。
西側は雲海。下界は雨かもしれない。
越中沢乗越で晴れてきた。
越中沢岳を越え、スゴの頭までが割と核心。ちょっとした岩場が続く。
スゴの頭の下りはたいしたことはなく、スゴ乗越から小屋まではかなり急登。
スゴ乗越小屋は、小さいけどなんか感じのいい小屋で、女子好みな雰囲気。カレーのいい香りがしてて、食べたかったけど、まだ準備中だった。トイレは100円、水はカンパ制。ココまでの4時間ほどで1リットル飲んでしまったので、100円入れて1リットル汲ませてもらった。
黒部川が見下せる。上の廊下を遡行したのはいつのことだっけ。もう20年ほどになるだろうか、と懐かしく思い出しながら眺めた。ちょうどこの真下あたりが、上の黒ビンガ。黒部川は水圧がすごくて、徒渉がとても厳しかった。口元のタル沢出合の深い淵ではおぼれかけたし…
背後からガスが追いかけてくるのだけど、なぜかずっと頭上は晴れてる。
間山の手前は、1/5万の登山地図では気づかなかったけど、典型的な二重山稜になっている。なだらかで歩きやすい尾根道。
北薬師から薬師岳にかけては、地図でみるとたいした標高差もないし、すぐかと思いきや、けっこうな岩稜帯で、細かいアップダウンがあって、見た目より時間を食った。
何度かトレッキングポールが邪魔になって、たたんだ。落ちたら洒落にならない箇所もあって、慎重に進む。
遠くから見てもデカいけど、間近で見てもデカい薬師岳。
25年前、初の新人だけの山行でこの山域へ来た時、なぜか高熱を発して、太郎平のテント場で一人寝込んだ。ほかのメンバーが薬師岳アタックに行くのを寂しく見送って以来、ようやく訪れることができた。四半世紀も持ち越していた山。
上の廊下遡行のときも、赤木沢から太郎平へ抜けたけど、薬師には登らなかったし。
山頂には薬師如来を祀る祠がある。古くから敬われてきた信仰の山だ。
雲ノ平、水晶岳、黒部五郎、そして奥に槍ヶ岳。
東南稜との分岐点には、避難小屋と愛大遭難碑のケルン。サンパチ豪雪(昭和38=1963年)のときに愛知大学山岳部13名が全員死亡するという大量遭難事件が起きたところ。
南西の太郎平へ延びる尾根と、東南稜は向きが120℃違うけど、形状はよく似てる。コンパスさえ見ていたら間違わなかっただろうに…
お宿は「薬師岳山荘」。コースタイム10:10のところ、約9時間かかって13:40に到着。
水がなくてご苦労されていると思うが、心のこもった夕食。ひとかけらも残せないので、肉じゃがの肉も必死で食べた。ほとんどみそ汁で飲み込んだんだけど。でも、向かいの席のオヤジが、汚く食べ散らかして残してて、なんだか腹立たしかった。
夕食後、小屋の外のベンチで同宿の女性としばし飲みながらお話。滋賀県から来られてて、1週間の予定だとか。
昨日同室だった方もそうだけど、単独行の女性って、じつはけっこう多い。
グループで歩いてる男性からは、よく「女性一人で!すごい、勇気あるね」なんて言われるけど、(へんな男性さえいなければ)女性だからってべつに何のハンデもないんですけど。
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