『オスカー ―天国への旅立ちを知らせる猫』
「ペットセラピー」を取り入れているアメリカの介護施設にいる不思議な猫。
重度の認知症患者が暮らす、アメリカのロードアイランド州プロビデンスにある「ステアー・ハウス看護リハビリテーション・センター」。そこで、セラピーキャットとして飼われている“オスカー”は、まるで医師のように毎日患者の居室を巡回し、死期が迫った患者を見つけると、そばに寄り添って“看取り”をするのだとか。
いや、オスカーが寄り添ってしばらくすると、患者が息を引き取ることに、スタッフたちが気づき始めた。
はじめのうちは、偶然と思われていたのが、めったに外れることがないとか。
看護師からその話を聞いた、老年医療の専門医David Dosa博士が、オスカーが看取った患者の家族などにインタビューをした内容をまとめ、2007年にNew England Journal of Medicine誌で発表。とても不思議な能力を持つ猫と、アルツハイマーなどの認知症になってしまった人の家族の苦悩について詳しく書かれている。
『オスカー―天国への旅立ちを知らせる猫』
デイヴィッド・ドーサ (著), 栗木さつき (翻訳)
早川書房 刊
2012年2月 初版発行
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