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『くらしの防災フォーラム ~土砂・洪水氾濫に関する防災講演会~』

下山して「うはらホール」へ。開会寸前に滑り込んだらほぼ満席。
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「災害に関する知識、避難行動や日ごろの準備など、命を守るための必要な備えについて考える」講演会。

先日の六甲山大学実行委員会のときに、六甲砂防さん、神戸市森林整備事務所さんから「開催決定から実施までの期間が短すぎて告知が間に合わず、人が集まるか心配」って聞いていたので来てみたのだけど、なかなかの熱気。“動員かけた”のかなと思ったけど、皆さん熱心にお話を聞いておられて、やはり災害に対する日頃の思いが神戸市民はすごいなぁと感心した。
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地元、魚崎町防災福祉コミュニティ副会長の石畠幸治氏による活動紹介。熱意溢れるお話で、やはりあれほどの震災を経験した街は違うと思った。
石畠氏「阪神大震災の時の教訓として、あのクラスの災害が起きると、行政が機能しなくなり、一時的に無政府状態になる。自分の命は自分で守ること、つぎの災害に備えておくことが重要」。地震発生直後、あちこちで生き埋めになって助けを求める人がいたが、消防も警察も機能していなかった。道具も何もなかったが、だんじり仲間を集めて、救助活動を行った。がれきの下から助け出したものの息を引き取った人、どうすることもできなくて、救えなかった命がたくさんあったこと…
その後「地域みんなで助け隊」として、地域の災害時要援護者の支援避難訓練、市民救命士講習、小学生への防災教育・訓練、避難所や対策本部立ち上げ訓練、要支援者避難のための車いすでの段差の乗り越えなどにも取り組んでおられる。

後半は、防災講話として、国土交通省近畿地方整備局・黒川純一良局長による「災害から命を守る取り組み」、立命館大学理工学部環境都市工学科・里深好文教授の講演「豪雨災害から身を守るために今できること」。

黒川局長からは、最近の雨の降り方の変化についてと、近年の災害について、神戸および全国での国土交通省の取り組みなどが紹介された。2000年以降、「50年に一度の大雨」が頻発。150観測地点のうち約半数にあたる地点で観測されている。時間降水量が50ミリを超える雨の年間発生件数は50%増、80ミリ超えは70%増。過去100年のデータを比較すると、降水量の変動幅が増大傾向。

昨年度、全国の土砂災害発生件数は3,459件で、過去最多を記録。
とくに7月豪雨は、平成最大の被害が発生した「広域災害」となった。
九州から東北にかけての広い範囲で断続的に非常に激しい雨が降り、各地で記録的豪雨を観測。神戸観測所でも、48時間降雨、72時間降雨ともに観測史上第一位を記録した。

六甲山地の特徴として、南側は海と山が近く、JR在来線・新幹線、阪急・阪神電鉄、国道2号・43号など重要な交通網が集中。海岸線から山麓まで2~3kmの狭い範囲に人口が密集し、山地を侵食するように都市化が進行。標高340m付近まで宅地が広がり、保全対象と土砂生産域が隣接しているため、土砂災害の危険性が非常に高い状況にある。過去に、昭和13年の阪神大水害、43年災害と大きな土砂災害が起きているが、昭和14年から国が直轄で砂防事業に取り組み、戦時下であったにも関わらず、大きな予算を投入して砂防事業が進められた。
昨年7月の豪雨では累計雨量が438ミリと昭和13年の大水害に迫る雨量を記録、平成26年災では526ミリと13年を上回る雨量であったが、いずれも人的被害は出ていない。

関空を水没させた昨年の台風21号では、高潮と降雨が重なって神戸市内でも浸水した地点があったが、低いエリアの浸水対策も強化している。
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里深教授のお話は、「豪雨災害から身をまもるために今できること」。
豪雨によって、地盤が含む水分量が多くなると、やがて自重に耐えられなくなって崩れ落ちる。崩れた土砂による直接被害に限らず、渓流からは鉄砲水や土石流が起きて、近年はこれに流木が混じることで被害がより大きくなっている。

「土石流」とは、山腹や川底の石や土砂が、長雨や集中豪雨などの大量の水といっしょになって、津波のように襲ってくるもの。先頭部分は、岩や流木などが集まって小山のようになることもある。中には直径数メートルもの大きな岩が混じっていたり、流速は時速40㎞になることも。土石流被害は、急な谷川があるところ、谷の出口に形成された扇状地で起きやすい。
川沿いだけが危ないわけではなく、「扇状地」なので、六甲山麓の市街地はほとんどが該当する。

昨年7月の西日本豪雨のとき、神戸市は20万人に避難勧告を出したが、実際に避難したのはわずか2000人。今年、警戒レベル4が宣言されたときも、避難者は1%に満たなかった。「人は逃げない」ものであることがわかった。「我がこと」意識がなければ避難はできない。
避難しても何も起きなかった場合に「空振り」と言われ、空振りが続くと人は逃げなくなる。京大の矢守先生は「空振りではなく素振りと呼ぼう」と提唱。
避難行動はそれ自体が命懸けであることも少なくないので、本当に危険なときに逃げることができるよう、練習をするつもりで。

【里深教授の講話まとめ】
・(南海トラフを含め)大災害は必ずやってくる
・「知ること」と「行動すること」が必要
・人間は「油断する生き物」と自覚すること

より安全な場所に住むこと、が真の安全につながる。移住も視野に。
※豪雨時に、警報が出ると家を離れて大規模ホテルに家族で泊まりに行く事例が紹介された。子どもは「プールで泳げる」と大喜びらしい。お金持ちじゃないとできないことだが、ひとつの理想的な行動ではある。

【予告】
人と防災未来センター『六甲山の災害展』
 8月14日(水)~25日(日)※19日は休館
 会場:人と防災未来センター西館1Fロビー 入場無料

2018年度(極にゃみ的レビュー)

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