秋のノビル ~ネギ属・怒涛の変遷のお話
春の野草というイメージがあるノビルだが、柔らかそうなのがたくさん。
先日、雨上がりのあぜ道で見つけたので、試しにちょっと引いてみた。(雨上がりは土が柔らかくなってるから、ふつうは簡単には抜けないこういうやつも抜きやすいのだ)。今年は春に「ノビルのパスタ」を何度か食べた。
試しに薬味代わりに食べてみたけど、ふつうに柔らかくてふつうに香りがよくて、ふつうに美味しく食べられた。
が、とある方のインスタで「有毒説があるから食べるのやめる」という記述があって、「???」と思ってちと調べてみた。
(自分で同定ができない野草を食べるのはNG!なので、その態度は正しい)
当然だが、ノビルが有毒という説は見つからず、誰かのサイトで、「ノビルは春のイメージがあるが、通は秋に食べる」というのと、真逆な「秋のノビルは春に比べて美味しくない」という記述は見つけた。へー。べつに固くなってるわけでもないし、ふつうに美味しいけどな。“ 通好み”かどうかは、通じゃないからわからんかった。
夏の間に一度休眠するみたいで、秋にもう一度フレッシュな葉が出てきてるのかも。
古代には、ノビルもニラもネギも、ひとまとめで 「蒜」と呼んでいたらしく、その後ニラやネギは栽培するようになったので、(なぜか栽培しなかった)ノビルが「野蒜」になったのではとの説も読んだ。「古事記」にもよく登場するらしい。
★ヤマトタケルも食べた? ノビル(野蒜)…ココ!
コチラのサイトも面白かった
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上記の“有毒説”だが、もしかして、、もしかすると、、、
ノビルが「ヒガンバナ科 」だから、有毒だと思った?とか??(知らんけど)
昔々、ネギの仲間は、「ユリ科」に分類されてた。40年くらい前のお話。
その後、APG分類体系が登場すると、「ネギ科」になった。
2009年発行のAPG分類体系第3版では、ネギ属はヒガンバナ科に分類された。
つまり、[ユリ科ネギ属⇒ネギ科ネギ属⇒ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属 ]と変遷。
[ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属]
・ネギ ・玉ねぎ ・ニラ ・ワケギ ・ノビル など
※春先にヒガンバナ科の有毒植物「スイセン」をニラと間違えて食べて中毒を起こす例が毎年あるらしいのだが、いつも見てるヒトからすれば、なぜ混同するのか理解できない程度に違うし、第一切ってみれば匂いでわかるだろう。植物を見分ける能力もさほどないのに、野草を摘んできて、匂いも確認せずに食べようとすること自体が理解できないのだが。
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