「安全登山のための講習」@セルロイド会館
インドア講習会にはもったいない好天だが、やむを得ない。朝8時集合で、田中理事と二人直前打ち合わせ。
午後には消防による救命講習を予定されているということなので、「山の救急法」の初歩的な部分だけに特化した内容にした。アウトドア特有の環境要因や、119番call→7分で救急車、ではないこと。自分と自分のパーティの安全を優先し、絶対に二次遭難を起こさないこと… 。あとは実技の簡単なものをいくつか。三角巾の使い方、固定法、手持ちの装備をどう活用するか、などなど。
「できることとできないこと」の見極めはホントに大事で、「危険を顧みず」救助するというのは、成功すれば美談になるかもしれないが、無理なレスキューで事故者をさらに危険にさらすとか、救助者側にけが人が出たりすると、よけいに事故を拡大することになる(プロですら時折事故を起こす)。
そうなれば、結果的に救助隊や消防の救急隊のオシゴトを増やすことになって、元々の遭難者が早く救助される妨げともなりかねないので、ヒロイズムはちょっと横へ置いておいて、冷静な判断が必要なところ(まぁ自分のパーティのメンバーだったら、無理でもなんとかしようとしてしまうだろうとは思うが)。
また、善意の救急救命行為で、もしも “なにか” あったとしても、法的に責任を問われることは通常ないそうだ(よほどの瑕疵があれば別なのかもしれないが)。
アメリカでは、すべての州で「善きサマリア人の法」が制定されていて、自発的に他人を救助しようとした善意の行為に対しては、結果的に傷病者のためにならなくても、その責任を免ずることになっており、一般市民による救命活動が推進されているとか。
日本でもこれに相当する法律が民法、刑法にあるそう。また、「一次救命および応急処置は医療行為ではない」と規定もされているらしい。
いざというときに備えて、「できること」を少しでも広げておくというのは、“善き山人のお作法”ではないかと、極にゃみ的には思っている。
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