『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』
日本の大学で研究を続け、教員として働き、日本人女性と結婚して家庭を持ち、大学の学長になるまでの過程を楽しく語っておられる。
アフリカからはるばる、まったく文化の異なるこの国へきた“まれびと”は、人間的な魅力にあふれた人で、周りの人々を巻き込みながら、人生を切り開いていく。異文化って、排除したらもったいないやん。せっかく身近に“違う”属性の人がいるのなら、これ幸いと学ばせてもらおう。そんな気持ちが沸き上がってくる面白い本だった。詳しく書きたいけど… ちと時間がない。ウチダせんせの解説も面白かった。
『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』
ウスビ・サコ 著
朝日新聞出版 刊
2020年7月 初版発行
ちょこっとだけ極にゃみ的抜粋。
P147
しかしながら、「集団的○○」という文化がなくなりつつあるはずの「個」の時代に、いまだに集団的パッケージ教育をやろうとしている、あるいは「日本人」づくりをやろうとしている日本の「国民国家的思考」は本当に不思議である。
世界的には国民国家的思想はそろそろ終わるのに、終わろうとしていることを一生懸命やっているのだから。
…中略…
日本はもう、「いくら声を上げても無駄」というところにまで来ているのではないか。「あなたの1票でこの国が変わる」ということを国が示せば「選挙は大事」となるのだが、変化しない国を見せながら選挙をしても、それはやっぱり変化しない。
…中略…
残念ながら、深く考えない国民づくりに教育が成功していると言えるだろう。
ホントにねぇ…
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