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やらかしました。人生初の要救助者、そして骨折事件。

六甲山上は雪♪ 今年最後のなごり雪?と、ご機嫌ででかけたのである。
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ま、そもそも、イベントの日程を間違えたりもしてたのだが。

六甲高山植物園の冬季特別開園が、例年だとこの土日なので、雪景色の中のスプリングエフェメラルを見たくて行ったら、明日だった…
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けど、山上は雪景色がきれいだし、とりあえず最高峰まで行って、どっちへ下りるか考えるつもりだった。
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宝塚まで縦走しようかとも思ってたのだけど、午後のアポイントの時間の関係で、有馬へ下りることに。
15分ほど下ったところにある、最初のう回路のアルミはしごを越えて、その先の、もひとつのう回部分。
そこはよく凍ってるし、危ないのは知ってたのに、なぜかうかっと足を滑らせた。

軽く転んだだけなんだけど、右足首の外側を木の根に強打したのか、ねじったのかわからないのだが、「パキっ」って音がして、激痛が走った。

瞬間的に「やらかしたかな…」と思ったけど、しばらく動けなくて、痛みに耐えながらそーっと立ち上がってみたら、体重をかけるのは無理なことがわかった。

が、その場所は尾根上で風がきついし、急で狭くて危ない箇所だし、そんなところにいると数分で体温を奪われるので、とりあえず傾斜が強いのを幸い、尻を地面につけた状態で、ズルズルと安定した場所までずり下りた。地面は氷と濡れてる箇所とで、ケツがどろどろになるけど、しょうがない。
う回路終点の、ちょうど風もよけられる斜面までなんとか移動して、とりあえず通行のじゃまにならないように、道の脇に座った。
が、一歩も歩けないので、自力ではどうしようもないし、行き合わせたハイカーに助けを求めるのもムリだ。
救助要請しかないことは明白だったので、すぐに119番に通報。電波が悪い場所だったけど、幸い緊急通報のみ使える状況だった。

電話に出てくれたのは有馬消防。
「管轄が違うので」と、北消防署に転送してくれて、転送先の司令さんにおよその場所と状況を説明したあと、完全圏外になってしまった。

一度はつながってるから、必ず動いてくれているとは思ってたけど、多少不安。コールバックするべきか少し考えたけど、119にかけたところでどこの消防につながるのかはわからないので、じっと待つことに。
真上はヘリがアプローチできる状況じゃないし、地上隊が来るまでにはだいぶんかかりそうなので、とりあえず固定より保温。防寒着を中に着て、レインウェアを上から重ねて、たまたま持ってたダウンブランケットを下半身に。
地べたに座ってると尻から熱を奪われるし、濡れるしで、動くと痛いけど、ザックの上に座りなおした。

(多分折れてるから)テーピングで固定しようかとも思ったのだが、病院に収容されてから剝がすのがめんどくさいことになりそうだし、どうせ歩けないんだから、とりあえずはそのままでいいと判断。

通報から15分くらいで北消防署からコールバック(数回圏外でつながらなかった記録あり)。
「今すでに現場へ向かってます。着衣の色は。そこから上空は見えますか」という確認。

しばらくしてヘリが近づいてきたので、指示されたとおりに、持っていたピンクのダウンブランケット(ふだんはそんな色のものは持ってない)を振り回したら、2回目の接近で発見してもらえた。

降下できるポイントがなかなか見つからないのか、しばらく真上で行ったり来たりしていたけど、やがて上側から2名の航空隊の隊員の方が来てくださった、
まず1名の方が本人確認、バイタルのチェックをしてから、ピックアップできる場所の確認をもう一名の方に指示。
本人が申告した負傷部位以外のチェックもザッとしてから、見当識の確認もあるのか、住所氏名年齢…等 を聞かれた。
その後、サムスプリントと伸縮包帯で右足首を固定。

そうこうするうちに、地上隊が上部から到着(地上隊のサイレンは、ヘリの接近より先に聞こえてた)。
下側のう回路の上まで行けばヘリからピックできるということで(前にもそこからピックアップした、という話をされていた)、背負い搬送用のハーネスをつけてもらって、若い隊員の方が背負ってくださった。
かなり急で足元も悪いのだが、ものすごくしっかりした足取りで、背負われていて、まったく不安感がなかった。
(レスキュー訓練で、要救助者役をやらされることはよくあるので、ある意味 “背負われ慣れている” のだが、やっぱりプロは全く違う…
100mくらいだけど、ミニサイズとは言え成人一人背負って、息もほとんど上がってなかった。ものすごい体力。)

ヘリでピックアップする場所まで運んでもらって、吊り上げ用のハーネスに付け替え。自分のバックパックごとハーネスの中に。
ハーネスの付け替えで、立ったり座ったりするときも、一人の隊員さんがずっと受傷部を保護してくれていた。
そして、航空隊員さんとタイインする形でホイストアップ。吊り上げ用のカラビナは、都合3回確認されていた(コレをミスると“クリフハンガー”になるからな)。

木の枝に少し当たるかと思ったけど、介助してくださってる隊員さんがうまくよけてくれて、あっという間にヘリの機内に。
人生初ヘリピックアップ案件となったのだが、隊員の皆さんのテキパキした動きを見ていると、ひとかけらの不安感もなかった。強がりでもなんでもなく、ホントにまったく恐怖感がなかった(高所恐怖症なんだけど)。
ま、ヘルメットかぶせられたときに、ゴーグルも付けてくださって、マスクのせいで曇るから、あんまり回りが見えてなかったせいもあるかもしれないが。

それにしても、神戸市消防局のレスキューチームって、ホントにすごいなぁと思った。
日ごろ、あんなに事故防止には注意を払ってて、安全登山が何より大事、って言ってる本人がこんなことになってしまって申し訳ない。

そして…
『岳人』11月号で六甲山の山岳事故に関するインタビューをさせていただいた、神戸市消防局北消防署の方にこんなところで再会するとは…
まったくもって情けない限りです。ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。

神戸市消防局の皆さまには本当に感謝しています。救急外来で対応してくださった神戸市立医療センターの医師看護師の皆さまにも感謝です。
ありがとうございました。

ちなみに、受傷部位は、仮の固定だけで、月曜日に近所の整形外科が開くまで放置。近所で今日、休日診療してる病院がないか、タクシーで移動中に検索してみたけど、整形は見つからなかった。見つかればそのままそちらへ運んでもらおうと思ったのだけど…
まぁ、動かさなければさほど痛まないので、おとなしく週明けを待ちます。腫れがこれ以上ひどくなりませんように。
(異常が起きたら救急外来にすぐ連絡しなさいと担当してくれた医師から言われた)

お騒がせした各方面の皆さまも、申し訳ありません。しばらく動けません…
(骨折日記でも書くか…?)

★本日の歩数 Xiaomi 17,401歩  スマホアプリ 15,435歩
 ※過去30日間の一日平均歩数は 26,207歩
★昨夜の睡眠 7:17 ノンレム睡眠 0:43  覚醒時間 1:27

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コメント

毎朝ブログ一番に読んでます。今朝は真理先生はきっと高山植物園やわ、と考えてました。この寒い中大変でしたね。骨折はホントに痛いですよね。2回やったので痛さがわかります。救助されている描写がありありと浮かび、改めてさらに気をつけて山歩きをしなくては、と思いました。
どうか、しっかり養生なさってくださいませ。
骨折日記読ませていただきます。
お大事になさってください。

投稿: 北原明子 | 2021年2月28日 (日) 09:39

北原さま

ご心配をおかけしました。
何しろ初骨折で、まだ診察を受けてないので実際のところはわからないですが、案外きれいな骨折(?)で予後は悪くないのではと勝手に思ってます。
リハビリ頑張ります!
ありがとうございます。

投稿: にゃみ。 | 2021年2月28日 (日) 10:30

にゃみさん、大変でしたね。

僕は幸いにして山では自力下山できないほどの怪我はしたことないけど、いつそうなってもおかしくないような状況は何度か経験しています。
60Lザックほどのでっかい岩が剥がれて、その岩を抱えたまま12mほど素直落下したりとか‥‥(^^;)

運の要素もあるけど、まあ起こってしまったことは仕方ないので、養生してしっかり治して下さい。
治りやすい怪我であるよう祈っています。
どうぞお大事に!

投稿: 助役 | 2021年2月28日 (日) 13:54

助役さん、
ありがとうございますー。

そんなデカい岩をかかえて落ちてご無事とは、
かなり運が強いですね!

事故はホントにある程度は運というか、
もちろん自分の過失を棚に上げるつもりはないですが、
よく事故を起こした人が言う通り
「こんなことになるとは」というのが正直なところ。

危ないと思ってたし、それなりに気をつけてたつもりなのに、そんなところで転倒するとは…
いや、それ以上に、その程度でこんなことに?と、
自分でびっくりなんです…(お年頃?)

多方面にご迷惑をおかけしてしまったけれど、
起きてしまったことはもうどうしようもないし、
せめてこの体験を何かに役立てられたらと思っています。
とりあえずは完治目指して頑張ります!

投稿: にゃみ。 | 2021年2月28日 (日) 14:17

にゃみさん、僕が事故したのは木曽駒の沢(西横川)ででした。
80度くらいの傾斜をフリーソロで登っていたら(とても簡単な登りでした)、突然手をかけたでっかい岩(たぶん数百キロ)が剥がれたんです。
このままだと岩の下敷きになると瞬間思ったので、岩を押しながら身体を反転させ、ザックで着地するように態勢を整えました。
ザックとヘルメットは傷だらけになりましたが、僕自身は軽い鞭打ちとお尻の打撲程度で助かりました。
思い返してみても、あのコンマ何秒かの間によくそれだけの判断ができたな~と自分を誉めてやりたいです(^^)
この時は間違いなくクライミングの経験が役に立ったと思います。

でも運が悪けりゃ当然ながら死んでたと思います。
先行してた4人は僕が死んだって叫んでましたから(^^;)

にゃみさんも最悪の事態は避けられたんだから、おっしゃる通りこれからは今回の経験を伝承してって下さい。
骨折日記、楽しみにしています!(^^)

投稿: 助役 | 2021年2月28日 (日) 16:15

助役さん、サスガ…

やはり日ごろの鍛錬はいざというとき役に立つ。

けど、ラストでよかったですね、
先行だったら巻き添え出してたかもだし。

ちょい前にけんじりさんが登ってた氷瀑が崩壊してフリーフォールして助かった事故とかもまだ耳新しいけど…

運もあるし、それだけじゃないものもある、んですよね、きっと。

まぁどんな経験も役に立つことはあるのだろうと。
(というか、今回の私の事故は、単なる油断というかケアレスミスだし、自分が間抜けなんですが)

神戸市消防局さんにはたいへんご迷惑をおかけしたので、その分の埋め合わせは何かの形でやらないととは思います。
減遭難、事故防止の一助になるように…

投稿: にゃみ。 | 2021年2月28日 (日) 16:28

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