『食事のせいで、死なないために』5[サプリメント]
『食事のせいで、死なないために』から、極にゃみ的に気になった部分のピックアップその5。「肺疾患」の項には、ブロッコリー、ウコンに続いて「サプリメント」に関する記述がある。
(極にゃみ的には、サプリメントって全く使わないから、ぜんぜん関係ないんだけど…)
「小児喘息とアレルギーに関する国際調査」で、100以上の国を調査したところ、ぜんそく、アレルギー、湿疹の罹患率は、国や地域によって大きく異なり、有病率がゼロに近いところから、45%にも及ぶ地域まで、60倍もの差があるとか。
大気汚染や喫煙の問題もあるが、最も大きな要因は、「肺に吸い込まれる物質」ではなく、「食」だった、ということがこの項で紹介されている。
野菜や穀物、ナッツなど、植物由来のものを多く摂る地域ではそれらの罹患率が低く、肉を毎日食べる地域では罹患率が高い。
そこで、ぜんそく患者の食事から、野菜と果物を減らしてみたら、症状が悪化。逆に増やしてみたら、憎悪率が半減したそう。
その流れで、サプリメントの話が出てくる。
本物の野菜や果物を摂るのではなく、サプリメントでその成分を補ったらどうなるかを試してみたところ、効果がなかったそうなのだ。
つまり、食材から分離した抽出物や、化学成分を摂ってもダメということ。「未加工の食材」を食べることが重要、ということらしい。
ついでに、「完全菜食」での実験結果も書かれている。
スウェーデンで、最高レベルの薬物治療を受けているにも関わらず、症状の改善がみられない重度のぜんそく患者35名に、完全菜食を試したところ、2名を除く33名が劇的に改善。「生まれ変わったようだ」と語った人もいたそうだ。副産物的に、体重減少やコレステロール値の減少もみられたとか(当たり前)。
要するに、心臓病と同じく、「肉」と「加工食品」を減らせば、病気はかなり減らせるんじゃないか?ってコトか。
本書の「Introduction」では、「ベジタリアンやヴィーガンを推奨するものではない」と書かれているが、結果的に、ベジタリアンやヴィーガンは非常に健康的であることがどんどん明らかになっていく。
極にゃみ的には、「何を食べるべき」というのは、個人レベル、民族や文化レベルで異なるものであり、必ずしも実験結果がすべての人に当てはまるとは思っていない。
私自身は、「肉を食べないなんて、人生の半分以上を損してる」とか言われるけど、損をしてる実感はひとかけらもない。
そして、「野菜をたくさん食べないと体調が悪くなる」ヒトだけど、伝統的な食文化であった時代のイヌイットは、(生)肉しか食べてなくても健康だった。なんなら、一昔前の日本人は、コメ(ムギや雑穀?)と味噌と梅干に、わずかな野菜と、たまーに魚、で健康だった。
本書を読むと「肉はやめた方がいい」と思ってしまうけど、それはもしかすると、
「不自然な飼育方法で肥育されている食肉」とか、流通の過程で「不自然な加工を施された食べ物」とかがダメなのかもしれない。
(まぁ、そういうものしか一般には出回ってないのだから、なるべく食べない方がいいのは事実かもしれんが。牛肉、鶏肉、豚肉、いずれもそうだし、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉はさらにリスクが高いと思う。野菜だって農薬が使われてるものがほとんどだし、本書で推奨されている未精製の穀物は「ぬか」の部分に農薬が残留している可能性があるから、安全とは限らない)
できる限り、自然なままのものを食べるのが一番、って結論かな。
でも、それは「食」だけのことではなくて、“不自然な生活”そのものが、我々現代人の健康をむしばんでいると思う。
夜遅くまで煌煌と灯りをつけて起きてるとか、異様な人口密度の中で暮らしてるとか、人工物に囲まれた中で、自然を感じることができない生活とか。せめて休みのときくらい、山へ行こーぜ。ほんのちょっとでも、自然を取り戻そ。。。
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