« 【骨折日記 18日目】 | トップページ | 【骨折日記 19日目】 »

『食事のせいで、死なないために』9[胃がん]

食事のせいで、死なないために』から、極にゃみ的に気になった部分のピックアップその9は、第4章「消化器がん」のその2。

日本は、世界でも有数の長寿国で、ここ数十年は世界一であるらしい。
その理由は、「ヘルシーな日本食」のおかげだと推測されているが、「胃がん」だけは、世界のトップクラスだそう。深刻なレベルでいろいろな病気が多い?アメリカ人と比較して、日本人の胃がん罹患率はなんと8倍!

原因と思われる要素のひとつが「ピロリ菌」。
韓国人と日本人は、胃がんの原因となるピロリ菌の感染率が非常に高いらしい。
ところが、もっと感染率が高いアフリカやインドでは、けっして胃がんの罹患率は高くない。インドでは、ピロリ菌の感染率は日本の2倍で、胃がんの罹患率は1/10だそう。

いろいろな調査から判明した「原因」と思われるものは、「塩分」。日本食には塩分が多く含まれたものが多く、例えば、塩蔵の魚や漬物…。
「塩」そのものは発がん性物質ではないが、塩分濃度が高いと、胃壁に損傷を与えたり、ピロリ菌のコロニー形成を促進したり、発がん性物質の生成や浸透に関与する可能性が高いらしい。

ちょっと逸脱するが…。
極にゃみ的には、この項に関しては、本書にはやや誤解があると思う。
「漬物野菜にはビタミンCがほとんどないか、まったく含まれていない」と書かれているが、それって、市販の工業製品的な漬物(極にゃみ的には漬物とは呼びたくないやつ)のハナシじゃないか?しかも、某Qちゃんとか、偽物のしば漬け、つぼ漬けみたいな、元の栄養が完全に損なわれてる系のやつとか。

漬物でも、例えば、ぬか漬けの浅漬けであれば、元の生の野菜よりビタミンなどの栄養素は増加するし、浅漬けであれば、昔の「保存目的の漬物」とは違って、塩分もさほど必要としない。生野菜サラダなどより(かさが減る分)効率的に野菜を摂取できるし、ドレッシングが要らない分、サラダよりヘルシーと言える。切り漬けの場合は、切ることで酵素が働いてビタミンCが壊れることもあるのだが、酢を活用するなどである程度は防げる(極にゃみ的にはそうしてる)。

本編を通して「生野菜」が推奨されているが、これはちょっと時代遅れの見解と言わざるを得ない。今の栄養学では、生野菜をサラダで摂取するよりは、温野菜など、少ない調味料でたくさん食べられる調理法が推奨されている(生野菜サラダを否定するわけではない)。

手前みそだが、塩分コントロールをきちんとし、乳酸発酵させたフレッシュな浅漬けは、サラダなんかよりずっと身体にいいと思う(生野菜サラダも好きだけどね)。

さて、本題に戻る。この項で、消化器がんを抑えるために摂取すべきものとして紹介されている食材は、生野菜・果物のほかに「ブロッコリースプラウト」「にんにく」。

ブロッコリースプラウトは、数年前に「ファイトケミカル」が話題になった時、一気に人気が出て、一時的にスーパーの店頭などで品薄になったことがあるのを覚えている人も多いと思う。
ブロッコリースプラウトを毎日食べると、ピロリ菌が除菌できるらしい。気になる量だが、「1/3カップ」だそうなので、まぁ食べられない量ではない。1週間食べ続ける人はめったにいないと思うけど、ピロリ菌の除菌剤を飲むことを思えばやってみる価値はあるかも。だが、ブロッコリースプラウトじゃないとダメってことでもないようで、アブラナ科の野菜を多く摂ることは、胃がん予防に効果があるそうだ。(そう言えばブロッコリースプラウトの種を仕入れて放置してるな…)

そして「にんにく」。アリシンはけっこう無敵だよね。(けど、韓国人にピロリ菌感染者が多いって、にんにく効果なくない?)
にんにくそのものに限らず、玉ねぎ、エシャロット、チャイブなど、葱属には胃がん予防の効果があると書かれている。
日本でお馴染みの野菜で言えば、ネギ、アサツキ、わけぎ、ニラ、ラッキョウもこの仲間。以前のエントリ「ネギ属・怒涛の変遷のお話」で書いた通り、野草のノビルもそうだ。そろそろ里山では芽吹いている頃ではないだろうか… 若菜摘みに行きたいよぉ。

★ちなみに、「日本人に胃がんが多い」ことに関して、比較的新しい情報はコチラ…ココ!

「東アジア地域特有のALDH2遺伝子多型と飲酒・喫煙習慣との組み合わせ、およびE-カドへリンの病的胚細胞バリアントの集合が、日本における胃がんの原因の一部として強く示唆されることが明らかになった」とのこと。

|

« 【骨折日記 18日目】 | トップページ | 【骨折日記 19日目】 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【骨折日記 18日目】 | トップページ | 【骨折日記 19日目】 »