「からたち」のパール柑
ビタミンCを摂るように、とアドバイスをいただいたとき、偶然届いた柑橘。
偶然このタイミングで福井の友人が送ってくれたもので、熊本は水俣市「からたち」の「パール柑」という柑橘。無農薬栽培のため、見た目(皮)はきれいじゃないけど、中身はホントに美味しい。
「パール柑」は、天草地方を主産地とする熊本県特産の柑橘で、品種名は「大橘(おおたちばな)」。
土佐の文旦とほぼ同じ品種だが、ココのパール柑は、甘みも酸味も濃くて、でも爽やか。さのうの一粒一粒がしっかりとしていて、ホントに美味しい。毎年お取り寄せしたくなる逸品だ。
ところで、水俣と言えば忘れてはいけないのが「水俣病」。高度成長期の悪夢、近代化の負の遺産とも言うべき、四大公害病のひとつ。最初に確認されたのは、私が生まれる5年前(昭和31年)。
水俣病事件で海を奪われた漁師たちが、陸に上がって、農業で生きていく選択をしたとき、作り始めたのが甘夏みかん。水俣病という病魔に侵されながら就農した人もいる中、「農薬は絶対やめるべき。被害者が加害者になってはならない」と、農薬を使わない道を選んだ。世代交代する中で、その考え方は引き継がれ、「反農連(反農薬水俣袋地区生産者連合)」から「からたち」へ。
今では美しい海と、恵まれた自然環境で、美味しい柑橘が育つ地であるが、水俣病被害は終わっていない。震災も水害も、直接の被災地以外では、だんだんと忘れられていくけれど、「忘れないこと」「語り継いで行くこと」は大事。まして、公害は人災であり、企業の責任、国や県の判断の誤りによって被害が拡大したことは、しっかりと伝えていかないといけないことだと思う。
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