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『「健康にいい」ものばかり食べると早死にします』

Samaki_hontoha理科教育、科学コミュニケーション研究者、生物学研究者、医師からなる6名チームが、食や健康にまつわる“怪しい情報”に騙されないためにと書き上げた一冊。

『本当は危ないオーガニック信仰
 「健康にいい」ものばかり食べると早死にします』

左巻健男 編・著
株式会社カンゼン 刊
2017年12月 初版発行

健康オタクは、割と“怪しい情報”に騙されやすい傾向がある…と、まさにソノ系である私は自覚している。
ヨノナカには、健康にまつわるネタは玉石混交で大量に流通していて、見るからに怪しいものもあれば、ちゃんとしたエビデンスがあるように装った紛らわしいものもある。ネットリテラシーと同じで、もっともらしい偽情報を見抜く力は重要だけど、“偽情報”を流す方も巧みだ(たぶん、「だましてやろう」という意図ではなく、本気で信じてるからよけいに厄介)。

さて本書。
オーガニック信者ではないけど、添加物や農薬はなるべく忌避したいと考えている私からすると、「ホンマですか?」という部分もわりとある。例えば、
「現在認可されている農薬は、既定の使い方をしている限り危険性はない」とか。
食品添加物も、
「安全なものしか認可されていないので、無添加にこだわってカビが生えたり雑菌が繁殖する方がむしろ危険」というようなことが書かれていて、「なるほど」と思う部分ももちろんあるけど、「ホンマかいな…?」って部分もある。
欧米の基準に比べて、農薬も添加物もずいぶんユルユル。あちらでは使用禁止のものも平気で使われてますけど…

「添加物」でも、毒性のないものもあるし、リスクとベネフィットを秤にかけると、ベネフィットを取るべきものもある、というのは本書を読む前から理解はしてるんだけど、できれば、より自然な方がいいなぁと思う。食べ物は、工業製品的であるべきではないと思っているので。多くの添加物は、大量生産・大量流通のために便宜上使われているわけなので、できる限りそういうものではないものを選ぶ。私は。

個人的な意見はさておき、とりあえずバクっと要約。

・日本人の平均寿命は、大正時代まで40歳代だった。
 50歳を超えたのは1947(昭和22)年(74年前)で、現在は世界でもトップクラスの長寿国

・そうなった要因はいろいろある
 →遺伝的素因(環境適応力が高いモンゴロイド)
 →乳幼児死亡率が低い
 →国民皆保険制度、高齢者医療制度
 →比較的平等な社会で貧富の差が少ない
 →教育制度が整っている
 →毎日入浴するなど清潔好き
 →昔ながらの粗食でもなく、西欧のような栄養過多でもない

・平均寿命が40歳代だった明治・大正時代は、脳卒中が多かった
 →肉などのタンパク質の摂取が少なく、コレステロール値が低すぎた
 →牛乳や肉の摂取が増えるに従って寿命が延びた
※現在日本人の肉の摂取量は一日平均80g程度。
 心臓病大国のアメリカではその4倍。日本人の現状は「ちょうどいい量」ではないか。

・三大栄養素の炭水化物・たんぱく質・脂質はバランスよく摂取する必要がある
 →糖質オフダイエットは危険

・天然のもの、無添加のものが安全とは限らない
・有機農法=無農薬ではない
・農薬=すべて危険なモノ、ではない。
 →無農薬だと、虫の食害などで逆に有害物質を生じることもある(ファイトケミカル)

・アスパルテームは危険な物質ではなく、そもそも危険なほどの量を摂取するものではない

・うま味調味料は毒ではない
 サトウキビから糖分を搾った残り滓を微生物で発酵させて作っている(発酵食品)

・かつて、グルタミン酸ナトリウムを大量に使用した料理を食べて頭痛、胸やけ、手足のしびれ、だるさなどが生じる「中華料理店症候群」が問題になったが、追試を行った結果、グルタミン酸ナトリウムが原因ではないことが明らかになった(※)

・「デトックス」で体内の毒を出すことはできない
 多くの「デトックス」を謳うメソッドには何の意味もない

・「がん予防」で信頼できるのは
 たばこの煙を吸わない
 飲酒はアルコール換算で23gまでに抑える
 偏りのないバランスのいい食事 くらい

「がん予防のために心がけるべきこと」
・いくら体にいいと言われているものでも、毎日同じものを摂り続けることにはリスクがある
・塩分を控える
・野菜・果物を毎日摂取する
・熱いまま食べない
・ウォーキングレベルの運動を一日60分
・適正体重を維持する(肥満も痩せもダメ)

ただし、体型への意識は時代によって変化してきた。
 現在は痩せているほうが健康的で美しいとされ、太っているとメタボと言われるが、実際には「太めの方が長生き」する
→BMIが18.5以下の「痩せ」が最も短命で、BMIが25以上の「太り気味」が最も長命

・ダイエットは非常に身体への負担が強く、死亡率が高くなる
・市販のダイエットサプリで減量効果があるものはない
・「セルライト」という言葉を使っている美容やダイエットなどはすべてインチキ
・次々と新しいダイエット法が生まれては消えるのは、効果がないから
・脂肪組織は、揉んでも叩いても減らない
・糖質制限には注意が必要
・糖質を制限することで脂質とたんぱく質の摂取量が増えるとリスクが高まる
 本当に糖質制限が必要なら医師に診てもらうこと
・脂肪分の多い肉やビールをあきらめて、野菜や果物、全粒穀物などを積極的に摂取

極にゃみ的に最も注目した部分は、
・以上のような「健康食」を摂取した人と、そうでない人の間に、大きな差はない。とくに、がんによる死亡率は変わらない。

そうなのか… 「健康にいい食事」は、ほぼ気休め?

★まとめ
日本人のように、摂取カロリーがほどほどで、和洋中いろいろな食材を食べているのなら、特別な「健康食」にこだわる必要はあまりない。逆に、偏った食生活による有害性の方が大きい可能性がある

なるほど…


体感として納得してない部分がある。
「うま味調味料(グルタミン酸ナトリウム)」について。
(※)追試で実害がないことが証明されているそうなのだが、私は、少量なら大丈夫だけど、大量に使ってる料理を口にすると、明らかに体調が悪くなる。
たまたまそういう体調だったのかもしれないし、プラシーボなのかもしれないから、証明はできないんだけど…。

微量なら使ってもいいと思ってるし(ソレが入ってる複合調味料は、時々使ってる)、適量以下なら美味しいと感じるけど、一定濃度?を超えると「ケミカルな味」と感じて逆に不味く感じるから、味覚的に多用はしたくない。(極上の昆布と鰹節を、気持ち悪くなるほど大量に使ってみたことはないから、天然の旨味成分が濃すぎるとどうなるのかは知らない。グルタミン酸ナトリウムもイノシン酸も、人工合成したものと天然のものに差はないわけだから、同じことかもしれないけど。)


(本書と関係ないけど)
やっぱり「加工肉」は確実にハイリスクみたいですぜ。
★ベーコン1切れでも「大腸がんのリスク高まる」…ココ

この調査は、オックスフォード大学が主導し、イギリスのがん研究団体キャンサー・リサーチUKが支援。
50万人分のデータを、6年にわたって分析したもので、「薄切りベーコンを毎日3切れずつ食べている人は、毎日1切れしか食べていない人よりも大腸がんになるリスクが20%増加する」そうである。
キャンサー・リサーチUKによると、イギリスで毎年診断される大腸がん4万1804件のうち5400件は、患者が一切加工肉を食べなければ防げ得たものだという。
しかし、がんの原因としては、毎年5万4300件に影響している喫煙の方がより大きなリスク(副流煙、ホンマに勘弁してほしい。歩きたばこの人、人殺しと言っても差し支えないのでは…)。

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