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『食事のせいで、死なないために』26[体内汚染?]

食事のせいで、死なないために』から、極にゃみ的に気になった部分のピックアップその26は、本書で最も悪夢的な章。

アメリカ人が不健康なのは、ファッティなその食習慣のためだと思ってたのだけど、じつは、「身体そのものが汚染されている」。

この章は、パーキンソン病の章なのだが、環境中の毒性汚染物質が原因で発病するケースが多い病で、様々な調査から、発症しない人も、じつはけっこうな比率でいろいろな汚染物質が体内に蓄積していることが明らかになっているそうだ。

米国国立がん研究による『アメリカ合衆国大統領がん委員会報告書』で、アメリカ人は生まれる前から危険な化学物質の暴露を大量に受けていること、そのために医療費が増大し、国民の生命を脅かしていることが指摘されている。
そして、その原因となっている水・食料・大気から、発がん性物質や毒性物質を除去することが提言されている。

CDC(米国疾病予防管理センター)の測定によると、アメリカ人のほとんどが、体内に重金属、毒性溶媒、外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)、PCB(ポリ塩化ビニル)、プラスチックに含まれる化学物質、ずーっと前に使用禁止となった殺虫剤などの汚染物質を蓄積させている。国民全員を検査したわけではないが、多くの調査で、検査対象の99~100%から検出されているので、ほぼ全員と推測しても大きな間違いはなさそう。

でも、それって、アメリカ人だけの特殊な事情だろうか?

レイチェル・カーソンが『沈黙の春』を発表したのは、1963年のこと。極東のこの国でも、割と似たようなことが起きて、多くの公害病が問題となった。それって、過ぎ去った過去のことだろうか?
環境中にまき散らされた有害物質は、アメリカでだけ、いつまでも人々を汚染しているわけではあるまい。

恐ろしいのは、「妊娠期間中に濃度が半減するものがある」「ある種の汚染物質は、授乳経験のない人の方が濃度が高い」ということ。
その人の体内から排出されたものがどこへ行ったのかを考えると…。

祝福され、両親の愛を小さな身体いっぱいに受けて生まれてくる新しい命が、誕生する前から汚染されてるだなんて。母が、身体を張って、文字通り「自分の血を分けて」我が子に与える母乳が汚染されているだなんて。悪夢にもほどがある。だがそれが“現実”。

それらの汚染物質には、数十年も前に使用が禁止されたDDT、ディルドリンなどの毒性の高い殺虫剤の成分、ヒ素、ダイオキシンも含まれている。それらが人の体内に入る経路と思われるものは、
ヒ素の場合、最大の摂取源は「ツナ」。
鉛は「乳製品」。
水銀は「魚介類」(水俣の“からたち”を思い出して。)。

つまり、過去に人類が環境を汚染したツケが、食物連鎖によって跳ね返ってきているということ。
汚染物質は海へ流れ込み、あるいは大気中から草原に降り注ぎ、プランクトンが取り込み、草が吸収し、それらを食べた生き物を、さらに大きな生き物が食べ… いのちは廻り廻る。

ロッキー山脈に降り積もった雪から、8種類もの殺虫剤の成分が検出されたという。では富士山は?アメリカだけの話ではないはず。地球の大気はつながってるし、動いている。そして、海も同じこと。
ましてこの国は、現在進行形で、セシウムやらトリチウムやらストロンチウムやら… 把握しきれないほどの放射性物質を海へ垂れ流し続けている。そんな中で生きている魚は、黒潮の海を自由に泳ぎ回っている…

もっと考えたくないことがある。 
13[高血圧]の項でも書いたが、食肉として可食部を採った家畜の残りの身体は、レンダリングされて、「良質な動物性たんぱく質飼料」として家畜のえさ、ペットフードなどに“リサイクル”されている。さすがに、今は肉骨粉を牛に与えることはしていないらしいが(牛以外はその限りではない)、化学物質をためこんだ生き物を餌として食べれば…、ここでも生物濃縮が起きる。

どれもこれも、悪い夢だと思いたい。不都合すぎる真実から、目をそらせていられるのなら、そうしたいものだけれど。

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