『犬のかたちをしているもの』
主人公は、7歳の時にもらってきて、14年間共に暮らした雑種犬の「ロクジロウ」を深く愛していて、ロクジロウが死んだとき、一生一緒にいるつもりだった彼氏のことが「ほんとどうでもいい」と思った。
その後、何人かのひとを「愛しているなって思った」けど、卵巣の病気のこともあるのかないのか、男性とつきあっても、数か月でセックスレスになって、やがて別れてしまう。今、半同棲の彼氏ともセックスレスだが、彼は「好きだから大丈夫」と言ってくれている。
ある日彼氏が「会ってほしいひとがいる」と引き合わせた女性は、彼の子を妊娠していて、堕胎するのは怖いから産むけど、育てるつもりはないから、生まれたら引き取ってほしいと提案。
…なかなかないシチュエーションだとは思うけど、いろいろ考えさせられる内容だった。
性愛の意味、妊娠と出産、結婚とは、親子とは、etc…
LGBTQ+という言葉をよく目にするようになってきて、多様なあり方、みたいなものを誰もが考えざるを得ない時代ではあるけれど、ステレオタイプはやはり強固。無意識に「こうでなくては」「こうであるはず」という刷り込みは必ずある。善きにつけ悪しきににつけ、ホントにそうか?それでええんか?ということは常に考え続けねばなるまい。
| 固定リンク
コメント
もうすぐ、LGBTQという言葉がなくなり男性がパートナー女性がパートナー。そのように自然と言える社会になって欲しいです。LGBTという言葉じたいが、男性と女性のペアに対してレズとかホモとか、男女のペアを肯定した上で、違いを表すような気もします。
投稿: | 2021年9月 3日 (金) 23:17
「違いがあっていい」と誰もが思えればそれでいいですよね。
マイノリティはどこまでいってもマイノリティだと思うので(性的指向性や性自認はともかく、私はマイノリティの自覚があるので)、「みんなと違う」けどいいやんか、と思ってくれればそれでいい。。。
日本的な全体主義っぽい気風、「みんなと同じようにしなきゃ」という同調圧力が嫌いです。
投稿: にゃみ。 | 2021年9月 4日 (土) 06:31