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『高瀬庄左衛門御留書』

小説というものから遠ざかって久しいのだが… 久々に良い作品に出合った。
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端正な装丁の佇まいからも、中身の質のよさが伝わってくる。

『高瀬庄左衛門御留書』
 砂原浩太朗 著
 講談社 刊
 2021年1月 初版発行

タイトルからわかるように“時代物”と呼ばれるジャンルの作品で、北陸と思われる地方の、実在しない小藩が舞台。初老の下級武士である庄左衛門は、妻に先立たれ、一人息子に家督を譲って手すさびに絵を嗜む隠居の身であったが、郡方の地回り先で息子が不慮の死を遂げる。四十九日を終え、実家に帰らせた嫁が、身過ぎのために絵を習いたいと通ってくることに。ところが、思わぬことから藩の政争に巻き込まれ、ストーリーは思わぬ展開へ。老武士の清冽な生き様を端正な筆致で描き上げた、美しい作品世界。久々に心洗われる小説だった。

今風に、しかもドライに端的に身も蓋もなく言うと「失意のアラフィフの物語」なんだけど、当時の50才って、今の65くらいの感じ?ではないかと。アラ還なにゃみにゃみ。のちょい上世代な感じ。な気が。

文章が精緻で端正。描かれる人々の、身の処し方がキレイ(醜いひとも出てくるけど)。たまにはこういう美しい別世界に、ほんのひととき心を揺蕩わせるのも良いかもしれないと思った。シリーズ化の構想もあるらしいので、楽しみ。

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