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絵本作家 長谷川集平展@姫路

姫路文学館で開催中の企画展『絵本作家 長谷川集平の仕事展』へ。
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なかなかの雨模様だったが、会期がこの連休までなので。

1955年兵庫県姫路市生まれ、21歳のときに『はせがわくんきらいや』で絵本作家としてデビュー。
「はせがわくん」は、身体が弱くて、ろくに運動もできない。ピアノを習い始めたけど、「女みたいや」と、男の子たちにからかわれる。

 「ぼくは、はせがわくんが、きらいです。はせがわくんといたら、おもしろくないです。なにしてもへたやし、かっこわるいです。はなたらすし、はあ、がたがたやし、てえとあしひょろひょろやし、めえどこむいとんかわからん。」

なんでこんなに弱いのか?とはせがわくんのお母さんに聞いてみたら、
「あの子は、赤ちゃんの時、ヒ素という毒のはいったミルクのんだの。それから、体こわしてしもたのよ。」

森永ひ素ミルク中毒事件」の被害者だった。

1955年、森永の徳島工場で生産されたヒ素が混入したミルクが流通してしまった事件。西日本を中心に被害者は12000人余。130名が亡くなり、知的発達障害や身体障害などの障害が残った子どもも多数。

17年前の記事だが…
★森永ヒ素ミルク事件50年 消えぬ心身の後遺症
 被害者の5割 単身生活困難 保護者高齢化、将来に不安…ココ!2005年05月09日
彼らはいま67歳。

ちなみに、この事件の少し後に起きたのが「サリドマイド薬害事件」。まさににゃみ世代である。

「はせがわくん」のモデルである作家も、毒入りミルクを飲んだそう。
死ななかったし、重篤な障害も残らなかったけど、弱者への視線は、その体験によるものなのかもしれない。
「にんげんがいじわるやからや」など、差別問題を取り上げた作品などもあり、本展示では、作家本人の朗読でスライドショーを鑑賞できる。

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