『さよなら、田中さん』
ヒロインは、明るくビンボーな母子家庭で、異様に強い母と二人暮らしの小学6年生女子“田中さん”。
父のことは何一つ語らない母は、「男の人に交じって工事現場で力仕事をしている」。
ボロアパートの大家はこの母子に何かとよくしてくれる世話焼きオバサン。上の階には大家の息子が引きこもり生活をしている。
お金持ちの同級生たちも多く、その子たちと生活レベルがぜんぜん違うけど、仲のいい友達はいる。そして、担任の先生はオカルト系のかなり変人。
人物描写もすごく巧みだし、流れるようなタッチで語られるストーリーはとても面白い。大幅に改稿したとは言え、これの元は小学生が書いたのか… とその才能には驚くばかり。天賦の才ってホントにあるんだな…
たぶん、ものすごくたくさん読書をしてきた子なんだと思う。
子どもを舐めたらアカン。やつらは時間がたっぷりあって、驚くほど集中的を発揮する。もちろん、彼女が稀有な才能の持ち主であるのは間違いないけど…
ほっこりして、読後感がとても良い作品だった。ほかの作品も読んでみたい(と、読了したのはかなり前なのだけど、すでに続編的な作品を読み始めてる)。受験生のときにも作品を書いてるというから、かなりの根性の持ち主だろうと思う。
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