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『さよなら、田中さん』

現役高校生作家、鈴木るりかさんの作品を読んでみた。
Tanakasan鈴木るりかさんは、2003年生まれ(平成15年!)。
小学館主催「12歳の文学賞」で史上初、3年連続大賞受賞というすごい才能の持ち主。その受賞作をもとに書き上げた連作短編5作を収録したのが本書で、若き作家の14歳の誕生日に刊行されたとか。表紙のイラストは、選考委員でもあるサイバラ氏。

『さよなら、田中さん』
 鈴木るりか 著
 小学館 刊
 2017年10月 初版発行<

ヒロインは、明るくビンボーな母子家庭で、異様に強い母と二人暮らしの小学6年生女子“田中さん”。
父のことは何一つ語らない母は、「男の人に交じって工事現場で力仕事をしている」。
ボロアパートの大家はこの母子に何かとよくしてくれる世話焼きオバサン。上の階には大家の息子が引きこもり生活をしている。
お金持ちの同級生たちも多く、その子たちと生活レベルがぜんぜん違うけど、仲のいい友達はいる。そして、担任の先生はオカルト系のかなり変人。

人物描写もすごく巧みだし、流れるようなタッチで語られるストーリーはとても面白い。大幅に改稿したとは言え、これの元は小学生が書いたのか… とその才能には驚くばかり。天賦の才ってホントにあるんだな…

たぶん、ものすごくたくさん読書をしてきた子なんだと思う。
子どもを舐めたらアカン。やつらは時間がたっぷりあって、驚くほど集中的を発揮する。もちろん、彼女が稀有な才能の持ち主であるのは間違いないけど…
ほっこりして、読後感がとても良い作品だった。ほかの作品も読んでみたい(と、読了したのはかなり前なのだけど、すでに続編的な作品を読み始めてる)。受験生のときにも作品を書いてるというから、かなりの根性の持ち主だろうと思う。

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