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『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界』

先日ようやく、表題の映画を観ることができた。胃が痛くなったけど…
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“極限の人”。生きて還れることが不思議なレベルのクライミングをずっと続けてきた人。登山界最高の栄誉「ピオレドール生涯功労賞」をアジア人で初受賞した山野井泰史さん。

体力、身体能力、精神力、モチベーション、極限状態での平常心… すべてにおいて想像を超えたところにいる。
すごすぎて、理解とか共感とかってハナシじゃない。極にゃみ的には、数十円の節約は真剣に考えるけど、億単位のおカネとなると価値がさっぱりわかんない、的な。

凍傷で手足の指を合計10本失った後に登山活動を再開したときは、登山を始めたばかりの中学三年生の自分よりレベルが低かったらしい。でもそこからまたトレーニングを重ねて、さらなる高みを目指している50代、現役クライマー。平均的なレベルのクライマーよかずっと登れるし、向上心は失ってないみたい…(やはりすごすぎる)

気になってる人は早く観ないと終わっちゃうかも… 神戸では、シネ・リーブル神戸で、22日までかも。
未公開映像とかも多いし、劇場で見る価値はあると思う。アルパインとかクライミングが好きなヒトだったら。

内容については、山野井泰史著『垂直の記憶』の映像版って感じなんだけど、やはり動画で観るのはまったく違う…
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この本、すごく衝撃的だったのだけど、なぜかこのサイトでレビューを書いてない。…きっと重すぎて、読んだ時の自分には書けなかったんだと思う(しょぼいクライマーだったから)。

沢木耕太郎著『凍』(これも読んだけど書いてない… たぶん理由は同じ)で、リアルに描かれたギャチュンカンでの生還についてや、世界最難の課題とされるマカルー西壁ソロ敗退についても、貴重な映像と、本人の回顧で語られている。直近の未踏ルート開拓のことや、奥多摩から伊豆へ転居した日常生活のシーンなども織り交ぜられていて、山野井さんに興味がある人にはとても面白いと思う。

標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学』とか、『凍れるいのち』、アーロン・ラルストン『奇跡の6日間』とも通底するものがある。
才能もなければ根性もなく、結局はぬるい世界から出られなかった私に、そのあたりの“何か”を語る資格などないと自覚はしているが。

ところで本作のタイトル、
「人生」と「クライマー」はどうつながる言葉なんだろう。

「精鋭」とか「へぼ」とか、主語を修飾するものなのか、
「人生=クライマー」という意味なのか。「生涯現役」みたいな。
意味の違いによって発音が少し違うと思うのだけど、劇場のアナウンスを聞いて、なんだか違和感があった。


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