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鳥羽の離島「神島」「菅島」

紀伊半島の東端、志摩半島と渥美半島の間に浮かぶ「潮騒の島 神島」。
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菅島の高台から見た神島。きれいな形をした小さな島で、背後に渥美半島。
鳥羽市営定期船で、鳥羽マリンターミナルから30分ほどで渡れる。

三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台として知られている。
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古代ギリシアの『ダフニスとクロエ』に着想を得て、美しい純愛物語を書こうとした三島。
「都会の影響を少しも受けてゐず、風光明媚で、経済的にもやや富裕な漁村」として紹介されたのがこの島だったそう。
美しい自然環境と、海の幸に恵まれた島の素朴な生活スタイルが気に入り、ここに逗留して、たくましい漁師の若者と、美しい海女を主人公として描いた作品が『潮騒』だそう。(読んでないし、山口百恵主演の映画も、吉永小百合のも見てないけど…)

真っ白な石灰岩が青い海に映えるカルスト地形や、ちょっとレトロな灯台や、友ヶ島の要塞跡を小さくしたみたいな軍事施設の跡や、いろんな見どころをたどるハイキングも楽しかった。

★伊勢志摩観光ナビ「神島

二日目に訪れたのが、鳥羽寄りにある「菅島」。鳥羽港の3km東にある東西に細長い島で、このエリアで最大の島である答志島と向かい合わせになっている。
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このあたりの島では、一番高い山「大山」237mがある。島を一周する感じでハイキング道が整備されていて、ぐるりと回ると3時間半くらい。
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山頂手前に「慰霊碑」がふたつ。全く知らなかったのだけど、1983(昭和58)年に自衛隊の輸送機2機が連続墜落事故を起こした現場だそうで、乗員14名が殉職という大惨事だったらしい。
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島の西端には、大規模な採石場があって、殺伐とした風景が広がっている。
かんらん岩を産出、新幹線の敷石に使われたり、セントレアの埋め立て工事にも使われたそう。その後、緑化を進めることになったものの、ほとんど進捗しておらず、逆に違法投棄や違法な盛り土、海への流出などいろいろ問題があるらしい。こんな美しい自然環境をどうしてこんなふうに… とよそ者は思うけど、いろんな利権やしがらみがあるんだろうな。
こういう風景を見るにつけ、人間はなんの権利があって、こんなふうに自然を破壊するんだろうと思う。ここにもたくさんの生き物がいただろうに。
もちろん、人が暮らしていくために、いろんな資源が必要なのはわかってるんだけど…
こんなに美しい場所にそぐわない、シュールな異世界だった。

 …じつは、うっかりしてて、分岐を見落として行き過ぎたせいでここまで来てしまったのだけど、これは見ておいてよかったなぁと。きれいなものだけを見るのが旅ではないから(きれいに整えられたものだけを見て歩くのは「観光」)。

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