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狙われた国と地域『④パレスチナ』

ガザにおけるジェノサイドはまだ続いてて、子どもも大人も殺され続けてる。
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なんで国際社会はこんな非道な虐殺を止められないのか、憤りしかない。
けど、この地域の紛争について、あまりにも知識がないので、小学生向けにわかりやすく書かれた本を読んでみた。

狙われた国と地域④パレスチナ
松竹伸幸 監修/稲葉茂勝 著
あすなろ書房 刊
2024年1月 初版一刷 発行

ベースにあるのは宗教的な問題。3000年以上も前に、ユダヤの神様が「カナンの地」と呼ばれる現在のパレスチナを「あなたの子孫に与える」と言ったとユダヤ教の聖書に書いてあるそうな。
それにより、ユダヤ人の祖先たちはそこに自分たちの王国を築いた。

ところが、紀元70年、強大な勢力を持つローマ帝国が攻め込み、ユダヤの王国は滅ぼされた。ユダヤの民は世界中に散り散りになり、その地にはイスラムの人々が住むようになった。

中世になると、主にヨーロッパで、キリスト教徒によりユダヤ人が迫害されるようになる。
その理由は、「ユダヤ人がイエス・キリストを十字架にかけたから」
 …。
迫害は続き、第二次世界大戦中に、ナチスドイツはユダヤ人を強制連行し、600万人を虐殺した。
 …(八百万の神々の国に生まれた極にゃみ的には全く理解できない。イエス・キリストを十字架にかけた人々の子孫だからって虐殺していいのか?)。

ところで、パレスチナの地に、ユダヤ教の人々とイスラム教の人々がいて、対立を続けていることの原因となったのは、第一次世界大戦のときのイギリスに責任があるらしい。

パレスチナを含むアラブ地域を支配していたオスマン帝国と戦っていたイギリスが、対立するアラブ人とユダヤ人の両方を味方につけようと画策し、どちらに対しても、パレスチナに国を作ることを認めた。
同時に、フランスとも密約を交わし、オスマン帝国を滅亡させたのちは、フランスとイギリスで土地を分け合うことを決めていたという。

ところが、第二次世界大戦後、イギリスはパレスチナを放棄して手を引くことになり、この問題を預けられた国連が、「パレスチナ分割決議」を採択し、この地にアラブ人とユダヤ人の国を両方作って、聖地エルサレムは「国際管理都市」とした。

1948年5月、その決議に基づいてユダヤ人が「イスラエル」を建国したが、土地の分割が不平等であるため、周囲のアラブ諸国が猛反発。
エジプトをはじめとする国々がイスラエルを攻撃する「中東戦争」が勃発する。
泥沼化した紛争はその後もずっと続いている。

そして、一番ひどい目に遭ったのが元々パレスチナに住んでいたアラブ人。
住んでいた土地を追われて、ヨルダン川西岸地区やガザ地区に追いやられた。
仮の避難先であったはずのその地区は、イスラエルが封鎖して、彼らは自由に出入りすることができない。
「屋根のない監獄」と呼ばれる状態が何代にも渡って続いている。

太平洋戦争が終わってしばらくして、この国では「戦争を知らない子供たち」という歌が流行ったけど、ガザにいるのは「平和を知らない子どもたち」。
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ハマスが昨年10月7日にイスラエルに対して奇襲攻撃を仕掛けた背景にはこういう長い長い歴史がある。

だからといって、攻撃を正当化するわけではないけれど、圧倒的な非対称な事態を認めるわけにはいかない。
ガザ地区の死者のうち、推定65%は子ども。

虐殺を止めろ!子どもを殺すな!誰も殺すな!」「イスラエルの虐殺に加担しないということ。

何度でも言う。子どもを殺すな!大人も殺すな!誰も殺すな!

ちなみに、「狙われた」シリーズ、ほかの3冊は
・ウクライナ
・韓国
・台湾
それも読んでみたいけど、チベットは?

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