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『ツキノワグマ』

死を食べる』のpostにコメントをいただいて、読んでみた本。
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動物写真家として知られる宮崎学さんが、身近にいるツキノワグマの生態を追って書かれた一冊。

『ツキノワグマ』
宮崎学 著
偕成社 刊
2006年10月 初版発行

ここ数年、ツキノワグマが出没するニュースが増えた。
とくに、秋田県では人的被害も多い。人間の生活圏内にクマが現れてウロウロするものだから、「アーバンベア」などと呼ばれたりする。
最近になって起きている現象かと思っていたけど、2006年に発行されたこの本には、
「ほとんどの人は気づいていないけど、クマはふつうにそこらじゅうにいる」と書かれている。
クマがどんどん人間を忌避しなくなっているのか、クマの個体数が増えているのかはわかんないけど、急に何かが変化したわけじゃなく、その兆候はすでに10年くらいまえには気づく人は気づいていたということ。

クマが人里に出てくるのは、食べ物があるから(あることを学習したから)。
キャンプ場や公園のごみ箱、あるいは旅館の裏手のごみ置き場に、食べ残しや残渣が大量にあって、人間にとってはゴミでも、野生動物にしてみれば栄養たっぷりのごちそう。

あるいは、養蜂家がハチの巣箱をあちこちに置くのも、クマにしてみれば「いい餌場」。

そして、犬の放し飼いができなくなったことが、野生動物が集落に出没する原因のひとつだという。
犬は、本能によって自分のテリトリーにほかの動物が入ってくると追い出そうとする。
犬がつながれていて、自分に危害を加えることができない状態であることを動物たちは知っている(学習している)。

そういえば、入笠山の山小屋(旧・マナスル山荘)では、夜は飼い犬のアジ君を放してる。近隣に住居とかがないからできることなんだけど、クマもアジくんが追い払ってるから来ないんだと思う。

(追記)
本書では、人里に出てきたクマを捕獲して、唐辛子スプレーなどで“いじめて”、人間はひどいことをすると教えて放つ「お仕置き放獣」の効果について疑問を呈している。クマは非常に記憶力がよく、嗅覚などもすぐれているので、“お仕置き”をした人のことを匂いなどで覚えているそう。クマにもいろいろな性格の個体がいるから、「怖いから二度と近づかないでおこう」と思うクマもいれば、「機会があれば仕返ししてやろう」と思うクマもいるとか。
ひどい目に遭わされたクマが、たとえば整髪料とか柔軟剤などのにおいを記憶していて、同じ匂いのヒトを襲うということもありえると書いてある。
「クマは基本的には臆病」って言われてるけれど、個体差はそりゃあるよね。人間だってそうだもん。

「ゴルァ!やくざ呼ぶぞ!このヤロウ!」とすごまれて、それまで温和に対応してた駅員さんのモードが変わって
「呼べ!」となった事件(ココ)、笑ってしまったけど、脅せば言うことを聞くタイプばかりじゃないって。ワタシなら即逃げるけど。

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