「トルコの無課金おじさん」に思う

マスコミはパリ五輪一色。

（しかし、イケオジだよな、、、ユスフ選手。本人の公式Instagramから）

「トルコの無課金おじさん」こと、ユスフ・ディケッチ選手は、射撃混合10mエアピストル団体で銀メダルを獲得。
多くの選手が使用する特殊ゴーグルやイヤーマフなどを使用せず、ラフなTシャツ姿から「オリンピックにフラッとやってきたおじさん」「無課金おじさん」などと話題に。
その射撃スタイルが「カッコいい」と世界中で話題になってるんだけど、ついったらんどでは、冷ややかな声も上がってる。

「射撃の選手が退役軍人って、“その腕を磨くのに使った的はそのタイプのものだけでしたか？”という疑問が出てしかるべきなのに、どうして平気で面白がっていられるのかわからない。ジャンダルマが事実なら、その的というのは……とわたしはどうしても思ってしまうけど。」(ココ)

「あのおっさんのビジュがキマってるのは事実だしかっこいいと思うけど、トルコのジャンダルマなんて国内で何してるかわかんないし、そこの鉄砲撃ちなんてほぼほぼ高確率でクルド人とかシバいてるだろうから「元軍人でかっけ〜」とか無邪気に盛り上がるのが一応トルコ学徒の端くれとしてできない…😭」(ココ)とか…

極にゃみ的には、このイケオジ個人に対してどうこう思ってるわけじゃない。
ジャンダルマがナニしてきた組織なのかもよくは知らない。(憲兵隊)
たぶん、彼はもう20年以上、軍人というよりはアスリートとして競技に向き合ってきてるんだろうし、その間、的にしてきたのは競技用のソレだけだろう。
プライベートでは娘を愛し、猫をかわいがる、フツーの良識的な人物なんだろうと思う。とくに関わりのない人が、カッコいいなぁと思って見てることは、べつに悪いことじゃないと思う。

けれど、極にゃみ的素朴な疑問。
「射撃」ってスポーツなんだろうか。

んー…？
　
では、フェンシングは？日本の剣道は？　
人を刺したり切ったりする技術だったのでは？

そんなことを言い出せば、格闘技だってそうだ。
今は純然たるスポーツだけど、空手や柔道やテコンドーやレスリングって、元々は殺傷能力を持つ技術。

優美な所作で魅了する相撲だって、その発祥とされる、野見宿禰と當麻蹶速の対戦では、「宿禰が蹶速の肋骨を蹴り折り、腰を踏み砕いて」との記述が残ってるから、たぶん蹶速は死んだんじゃないかな？少なくとも宿禰は殺す気で対戦したんじゃないかな？知らんけど。

飛んだり跳ねたり、玉を追っかけたりする、ほかの競技とはなんか違うと思うんだけど…。
（べつに悪い、とは言ってない。いろんな経緯で、殺し合いの技術から、純然たるスポーツに昇華したんだろうとは思う。）

ところで、
「オリンピックは平和の祭典」と言うけれど、本当かな？
オリンピックというものの組織的な問題も気になる。

ウクライナ侵攻を続けているロシアは参加できない。国連憲章に違反しているから。
でも、ガザ地区の人々を39000人も虐殺しているイスラエルは参加している。何でだ？？？

ガザにあるスポーツ施設はすべてイスラエルによって破壊され、300名以上のアスリートが殺された。
たまたまガザじゃないところにいたパレスチナの選手が、わずかながら出場しているけれど、それって公平な戦いなんだろうか。

いや、“戦い”って…

競技スポーツは、勝ち負けを競うから、“戦い”と表現するわけだけど、世界がこんなに紛争だらけできな臭い今、戦いという言葉には敏感にならざるを得ない。
そして、マスコミがやたらとナショナリズムを煽るのも背筋が冷たくなる。
「日の丸を背負って」「国を背負って」…　

個人競技にしたらアカンのかな？

あと、テストステロン数値が高かった女性選手の問題も、なんだか心にひっかかる。
彼女はひとかけらも悪くない。彼女を非難するのは全くのお門違い。

そういう“ボーダー”なラインの人は一定数いるんだから、性差の問題をどうするねんって問題。

そんな、なんだかんだで、極にゃみ的には盛り上がることはできないし、だいぶん斜め方向から、生暖かく見ている。

んで、、、
「銃を構える姿」がカッコいいと感じるのはなんでだろう。
これまでに読んだマンガとか、アニメとかからの刷り込みなのかな？
イケオジ、たしかにカッコいいんだよな。けど、なんでそう感じるんだろう。
スポーツ射撃はスポーツなんだけど、銃は人を殺す道具なんだよ。
いくら考えてもわからない。下手の考え休むに似たり。でも考え続ける。