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「ヒガンバナ」の開花について

先日、六甲山上の記念碑台でヒガンバナが咲いていた。
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じつは、長年勘違いをしていたことがあって…

昨年秋の播州月間(その1その2)で「ヒガンバナの開花がおかしい」という話をした。
例年なら、秋の彼岸の頃に咲くはずのヒガンバナが10月上旬に咲いていたからなんだけど…。

ずーっと昔、自然観察に興味を持ち始めた頃に、先輩に当たる人から
「ヒガンバナは短日性の植物なので、気温に関係なく毎年律義にお彼岸の頃に咲く」と教えられて、ずっとそう信じていた。

農園生活で、畑のちかくに咲くヒガンバナを毎年見ている。
昨年は10月6日に満開で、なんだかおかしいなぁと思った。
短日性なんだったら、どんな猛暑でも、半月もずれるはずがない。
2016年9月にヒガンバナの生活史について詳しく書いてるのに、開花機序については疑問を持たなかったみたい。

で、疑問に感じた昨年秋以降、時間があるときにちょこちょこ調べてて、わかったことは、
・花芽分化にはバーナリゼーション(春化・低温遭遇)を必要とし、20度を下回らない環境では花芽は形成されない
・花芽分化および雌ずい形成までの発育適温は25~30℃
・雌ずい形成期に達すると25~30℃の高温では発育が抑制される
・20℃くらいになると花芽が伸びてきて、やがて開花する
・開花後に葉を地上に展開させ、冬の間に光合成をして栄養をため込む
・翌年の5月中・下旬に葉が枯死し、夏は休眠する(“葉見ず、花見ず”)
・ヒガンバナは史前帰化植物で中国から入ってきたが、三倍体なので種子ができない(コヒガンバナは二倍体)

つまり、暑いままでは咲かないのであった。また、最低気温が20℃を上回る環境になったら、咲かなくなる。温暖化が進むとそういうこともありえるのだろうか…?(オソロシイ)

というワケで、今後ヒガンバナは秋のお彼岸に咲くとは限らない花になっていきそう。
木曜クラス日曜クラスの皆さま、昨年は間違ったことをお伝えしてすみませんでした。

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