『霊峰の門』

吉野の山を支配する一言主、葛城の山を支配する役小角・・Reiho あたりの時代から始まり、一言主→韓国広足→楠木正成→明智光秀・・と時代を飛び越えながら物語が進行していく。
「他人の死を肩代わりする運命にある特殊な血筋(?)=尸者(ものまさ)」である佐提比古と、何度も転生しながら佐提比古を追い求める皐月女が主人公なのだが・・
なんだかよくわからん話の流れ方と、なんだか唐突な終わり方。
山岳小説なんかではものすごーく緻密で面白い作品世界を構築する作家さんなのになー。違うジャンルに手を出すのってやっぱり難しいものなんだろうか。

「輪廻転生を繰り返しながら奈良時代から幕末を生き、
 時代と戦乱に翻弄された男女の悲劇を描く歴史伝奇大作」というコピーがついているが、男の方は翻弄されているだけで、女の方はひたすら一人で戦ってる。で、強い。
その女主人公の描写、「一見すると幼女のようだが、物腰は大人の女を思わせた。しかも童女のあどけなさと、老女の気品が同居している」ってのは、やっぱ作者さんの趣味かなぁ(笑)。

『霊峰の門』
谷甲州 著
早川書房 刊
2009年8月初版発行

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『ハンサムスーツ』

着るだけでハンサムに変身出来るスーツ・・Photoありがちなコミック系の小説?映画化されたり、ドラマ化されて話題になったってことはゼンゼン知らず・・coldsweats01 
「自他共に認めるブサイク男・琢郎(ブタロウと呼ばれてしまう・・)。そんな彼が着るだけでハンサムになれるスーツをゲット!ブサイクだと知らなかったハンサムライフが始まる」 というのは映画の紹介コピーそのままだが、非常にわかりやすい話で、なかなか楽しく読めた。
この本で書かれている「ブサイク」と「美形」では世界が違うって事実はよくわかる。でも、ヒロインが美人であるがために同級生の女子たちから仲間はずれにされた、ってのは、作者がオトコだから勘違いしていると思われる。女子も美形の女子は好きだもん。美形を鼻にかける性格の悪いヤツは別だけどね。

『ハンサム・スーツ』
鈴木おさむ 著
集英社 刊
2008年1月 初版発行

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『悩んだときは山に行け』

明るいタッチのイラストで人気の“鈴木みき”さんによる Yamaniike_00_2ジョシのための山登り入門書。
彼女自身が山登りを始めたきっかけや、のめりこんでいく過程を楽しいマンガで綴っている。
初めて山登りをしてみようという人(特に女性)に向けての懇切丁寧なアドバイスも満載。
悩まなくても山に行きたいけどねぇ。
帯に起用されているモデルのKIKIさんが“山ガール”を大量増殖させた原因のひとつではないかと思っているのだが・・
何しろ、彼女たちのおかげ?で山に若くてお洒落なオンナノコたちがとても増えたのはいいことだ。
見ててゲンキもらえるしなー(ってやっぱオッサンかな)。


0911120001_2けど、みきさんは明るいオバチャンたちに癒されてるらしい。
「若いわー」「えらいわー」「かわいいわー」と、一般社会とはひと味違う(?)肯定評価をてんこ盛りにもらえる“山”で、中高年パワーをもらってるそうだ。そう言えば、私のよーなトシですら「若いねー」って言ってもらえるもんなーsweat01

『悩んだときは山に行け! 女子のための登山入門』
鈴木みき 著
平凡社 刊
2009年5月 初版発行

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『禁断のパンダ』

第6回「このミステリーがすごい!」大賞(2007年)受賞作品。Photo_2なんだかみょーなタイトルだけど・・パンダは、動きも鈍そうだし、のんびりとササを食ってるだけの典型的な草食動物ってイメージだが、分類上は「食肉目」で、じつは鋭い歯を持っているのだとか。この本の中で語られるエピソード・・その昔、肉食獣だったパンダは、神の怒りに触れることをしたために肉食を禁じられ、せっかく肉を切り裂いて食べることのできる歯をもっていながら、タケやササしか食べることができなくなってしまった・・・

神戸でちいさなビストロを営むコウタという若いオーナーシェフが主人公で、ハーバーランドなどが舞台となっている。レストラン評価で絶賛されている「キュイジーヌ・ド・デュウ」での食事風景などグルメ小説かと思って読み進むと・・・あぁ~、この本、ミステリーだったんだ。って感じ。
書き手のキャラがそのまま投影されているのではと思われる主人公をはじめ、文体的にも好感度が高い和み系の小説っぽいんだけど、結末がとんでもなかった。
極にゃみ的には、草食系でいいです。

『禁断のパンダ』
拓未 司 著
宝島社 刊
2009年10月 発行

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『白いへび眠る島』

“拝島”という不可思議な因習を今も残す離島で、Photo13年ぶりの大祭が行われることになっていたが、その名前を口に出すことすらはばかられるほどにおぞましい「あれ」が出た・・という伝奇ミステリー。
「持念兄弟」という不思議なえにしで結ばれた少年二人、代々島を守ってきた神宮家の謎めいた次男、そしてさらに不思議なその客人・・
じつは伝奇モノがけっこう好きな極にゃみ的にはなかなか楽しめた作品。三浦しをんさんの作品は初めて手に取ったのだが、やっぱりタイトルに引かれたんだよな・・きっと。

『白いへび眠る島』
三浦 しをん 著
角川書店 刊
2003年発行「白蛇島」を改題、書下ろしを加えて2005年に文庫化

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『マリー・アントワネットの遺言』

フランス革命でMarry断頭台の露と消えた悲劇の王妃・・数々の物語の主人公となった王妃マリー・アントワネットについてはよく知られているが、その遺児でただ一人革命後も生き抜いた王女マリー・テレーズについてはあまり知られていない。革命裁判において王妃の国選弁護人となった弁護士が、王妃が“言い残した”言葉を書き残し、その書を巡って数十年の後に弁護士の娘、破戒司祭、マダム・ロワイヤルことマリー・テレーズが、それぞれの人生を見つめなおす・・という物語。堕落の限りを尽くしてでも権力にすり寄ろうとする生き方、欲しいものは愛なのに、自傷や憎悪にすり変わってしまう不思議な心理・・。物語はお膳立てがドラマチックなほど面白い。
ものの見方や捉え方というのは境遇によって形作られていくものなんだよなー・・

『マリー・アントワネットの遺言』
藤本ひとみ 著
朝日文庫(1999年朝日新聞社刊「マダムの幻影」を改題)

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『流されびと考』

ヤマトタケル、軽大郎女、小野篁、祟徳上皇、菅原道真・・
Photo流刑という処遇によって都から遠い地へ“流された”人々にまつわる歴史エッセイ。八百比丘尼までラインナップに入っているのがちょっと不思議だけど・・
都から遠ざけられるということが、その時代のひとにとってどれほどショックなことなのか・・そのあたりの感覚は現代人には理解しにくいところなんだろうと思う。

『流されびと考』
杉本苑子 著
文芸春秋 刊
2002年7月 発行

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『スパイラル・エイジ』

7歳も年下の男をふとしたはずみで殺してしまった女。Photo_2夫の上着から抜き取った“見覚えのない鍵”の主を消し忘れのケータイメールからつきとめ、乗り込む女。そしてその不倫相手の妻に乗り込まれた女・・・。
20年以上も生き続けている夜店ですくった金魚“ギンちゃん”がひとつの軸となり、40歳の三人の女性が巻き込まれていく非日常的な世界。
嫁姑・小姑との関係、痴呆と介護、性別役割分担と不倫・・いろいろなキーワードを織り交ぜながら、“腹をくくった女は強い”ということを実感させられるユニークな作品だった。
しっかし、ちゃんと“女”やってる女のヒトってえらいなぁ。オッサンな私はただただ尊敬するわ。

『スパイラル・エイジ』
新津きよみ 著
講談社 刊
2005年5月 初版発行

ところで、本書の参考文献として取り上げられている『スパイラル エイジング』は、「ワコール人間科学研究所」による40年間の調査研究をまとめたもの。
それによると、女性のからだには大きな変化が訪れるターニングポイントが3回あるそうだ。

 ★ココ!

1回目は、成長期から成熟期への転換期である16~18歳。次いで、成熟したオトナとして身体的に完成する24~26歳。そして最後が急激な体重増加や体型の変化が始まる37~39歳。つまり、老化の始まりってコト。

極にゃみ的には、1回目は学校の授業に適応できなくて胃潰瘍を患い、イッキに10kgの体重激減をやらかしたのでサッパリわからなかった。
2回目は“究極のデトックス”と言われている出産によってカラダが劇的にすっきりした時期とバッティング(パーフェクトにセルフコントロールする妊娠期間×授乳期間の一年半くらい?って、はっきり言って超シビアにカラダを絞れますよ←「妊娠ダイエット」って本を書こうかと思ったくらい)。
3回目の頃は、とある精神的ダメージによって一気に10歳分くらい老け込んだので、“スパイラルポイント”どころの騒ぎじゃなかった(・・けど、あの急激な老化現象には我ながらそーとー驚いた。一夜で髪が真っ白になったマリー・アントワネットほどではなかったけど)。

ま、山をやってるおかげで“急激な体重増加”はなかったけど(ちと油断したら今すぐ中年太りかも?だけど??)。

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『キノコは安全な食品か』

「日本のきのこ研究の第一人者が、Photo 健康食品とされるキノコと農薬、キノコと放射線、キノコと重金属・・・(中略)・・・実態を余すところなく描く、衝撃のキノコ読本」とある。

①キノコは菌類。植物ではないので、すべての栄養をほかの生物から得ている。つまり“植物”に近いイメージを抱きがちだが、どちらかというと“動物”に近い生き物である。
②松林が姿を消すなど、自然環境が大きく変化する中で、野生のキノコは激減している。それに反比例するかのように人工栽培のキノコは激増しているが、生産性を重視するあまり、ほとんど“工業製品”のような生産状態にある。
③ヘルシーフードの代表のように思われているキノコだが、実際の栽培現場では農薬や殺菌剤、正体のわからない栄養剤などが大量に使われているケースもある。とくに海外産のものに関する安全性はまったく疑問。
④種によっては重金属や放射能を溜め込む性質を持つものもある。天然モノ=安全とはいえないのが現実。
⑤人類史上、これほど大量のキノコを常時食べる食習慣はなかった。人工栽培の普及が早すぎて、食品としての安全性、そして生物種としての環境リスクなどが充分に調査・研究されないままに生きたキノコの輸入や新種の移入が行われている。

たとえば・・
・舞茸などは、ごく一部の人がほんのたまにしか食べることができないものだった。
・ブナシメジは歴史的に食用にされたことがない種である。
・エリンギは近年海外から移入されて栽培が盛んだが、ヒラタケの近縁種で胞子を飛ばす能力が高く、環境中に逃げ出すと周囲の生態系に重大な影響を与える可能性がある。
・マツタケは、北朝鮮・中国・韓国・カナダ・アメリカ・モロッコ・ブータン・トルコ・メキシコから大量に輸入されているが、元来土から出るキノコなので、茎の中にはカビや細菌が入っていて、完全に除去することはできない。万一在来種のマツなどに有害な微生物や害虫などが入っていてもなすすべがない。

「これほどおおらかに外国の生物を大量に受け入れている国も珍しいのである」とくくられている。一般にキノコ=食品という認識しかないが、動物ではなく、植物でもないナゾの多い生物なのである。

『キノコは安全な食品か』
小川真 著
築地書房 刊
2003年1月 初版発行

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関西ハイキング2010

2年ぶりに『関西ハイキング』が刊行されました。
0909230001神戸・大阪・京都のそれぞれ“裏山”コースとか、六甲全山縦走路、生駒縦走歩道、京都東山トレイルなどを詳しく紹介。「世界遺産の山めぐり」と題して高野山や大峰、熊野古道なども取り上げています。

今回私はショップ紹介とクライミングジムデータのページを担当させていただきました。ジム、いっぱいできててびっくりしますよー。

★関西ハイキング2010
山と渓谷社 刊
2009.10.20発行(もう店頭に出ています)

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